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2024年12月2日【ESG】

オークネット、使用済みEV蓄電池のリパーパス事業始動へ

坂上 賢治

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循環型マーケットデザインのオークネットは12月2日、MIRAI-LABOと新しい循環型BtoBマーケット創出のため、使用済みEV(電動自動車)リチウムイオンバッテリー(EVバッテリー)を活用したリパーパス製品流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal(エナジー・ループ・ターミナル)」を立ちあげ、当該開発製品の予約受注事業を開始した。

 

当該事業を始動させた背景には、近年、サーキュラーエコノミー領域で再利用を目的としたリユースだけでなく、廃棄されてしまうような”不要品”に新たな目的と価値を創造して再利用する“リパーパス”という手法が、世界規模で注目を集めているため。

 

 

しかしリパーパス事業を行うためには、EVバッテリー性能を評価する劣化診断技術。グレーディングの技量。診断に基づき最適用途をマッチングさせるスキルが求められる。

 

それは例えば、高精度の診断に時間とコストが掛かるもの。中~低グレードの用途が確立しておらず価値が算出できないもの。バッテリーの品質保証ができないものなどの課題が山積している。従って現段階では、リパーパスの可能性をもつ中古バッテリー製品を廃棄せざるを得ない状況にあった。

 

そもそもオークネットは、これまで循環型流通の先駆者としてオークションを通じて中古車、中古デジタル機器、ブランド品、中古バイク、中古医療機器など多様な商材の循環型流通事業を展開してきた。

 

とりわけ中古車オークショニアの視点から、EVバッテリーに残性能があるにも関わらず活かされていないこと。またはその多くが国外流出している問題に着目。自律型街路灯や蓄電池等へのリパーパス製品への生まれ変わりをサポートする必要性を強く認識してきた経緯があったという。

 

 

そこでEVバッテリーのリパーパス製品のプラットフォーム事業に着手。製品流通の最初の試みとしてMIRAI-LABOと業務提携して短時間かつ高精度な「EVバッテリーの性能/劣化診断」が可能な独自のインピーダンス(交流回路で電流の流れにくさを示す値)測定法を確立させた。

 

今回のリパーパス製品流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal(エナジー・ループ・ターミナル)」では、そうした蓄積技術を応用し「診断・評価基準」をモジュールごとに付与。

 

これまで他社ではできなかった安全制御システムBMS(Battery Management System/二次電池の安全制御を行うシステム)付EVバッテリーおよびリパーパス製品自体に「品質保証」を付帯することで、中古製品に新たな付加価値を提供。使用済みEVバッテリーのリパーパス製品を安心安全に流通できるBtoB流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal」を介した予約受注を始動させた。

 

そんな2社の役割は、オークネットがプラットフォームの開発・運営、顧客開拓等を担い、対してMIRAI-LABOが、劣化診断業務、BMS付EVバッテリーおよびリパーパス製品の商品化および製品保証、評価業務等を担う。

 

「Energy Loop Terminal」では、以下のサービスを提供する

  • (1)高精度な「EVバッテリーの性能/劣化診断」受託
  • (2)専用BMSを付したEVバッテリーの売買仲介
  • (3)また「品質保証」を付帯させた街路灯などのリパーパス製品の売買仲介

 

 

なお、オークネットは上記事業化を前提に「サーキュラーパートナーシップEXPO2024」に出展する(4-035)。ブースでは、MIRAI-LABOのリパーパス製品である「THE REBORN LIGHT smart」を展示する。

会期:2024年12月4日~12月6日
会場:東京ビッグサイト 東ホール
URL:https://messe.nikkei.co.jp/sb/

 

 

社名:MIRAI-LABO株式会社
本社:東京都八王子市滝山町一丁目886番地1(〒192-0011)
代表者:代表取締役社長 平塚 利男
設立:2006年4月
資本金:98百万円(2024年11月1日時点)
事業内容:環境プラットフォーマーとしてGX design を提供
太陽光路面発電技術、中古EVバッテリーの劣化診断・リパーパス技術、バッテリーの無瞬断切替
技術、省エネ照明技術などを軸とした自律型エネルギーシステムに関する研究・開発・提供
URL:https://mirai-lab.com/

 

社名:株式会社オークネット
本社:東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OMスクエア (〒107‐8349)
代表者:代表取締役社長CEO 藤崎 慎一郎
創業年月日:1985年6月29日
資本金:1,807百万円 (2023年12月31日現在)
連結売上高:43,303百万円(2023年12月期)
連結従業員数:878名(2023年12月31日現在)
事業内容:循環型マーケットデザインカンパニー。中古車、中古デジタル機器、ブランド品、花き、中古バイク、中古医療機器などのオンラインオークション、および流通に付随するサービスを提供。
株式:東証プライム(証券コード:3964)
URL:https://www.aucnet.co.jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。