アストンマーティンは10月12日(英国ゲンドン発)、英・先端推進システム技術センター(APC)を通じ、英国政府から次世代EVプラットフォームの研究資金として900万ポンドを調達。今後、革新的なモジュール式電気自動車(BEV)の研究開発を強力に推し進めることを明らかにした。
今助成金は、アストンマーティンのラグジュアリーBEVプラットフォームの開発を支援すると共に、車両軽量化、デジタル・ツールチェーン、電動化トレーニングへの投資を含め、ネットゼロへの道筋も構築するために使われる。
なお同発表は、アストンマーティンの広範なサスティナビリティ戦略〝Racing. Green.〟に於ける新たな一歩になるという。同資金を糧に今後5年間で最先端テクノロジーに20億ポンドを投じ、内燃エンジン(ICE)からBEVテクノロジーへと段階的に移行させていく。
そのプロジェクト概要は、アストンマーティンが主導する6者共同の研究開発プロジェクトで、マニュファクチャリング・テクノロジー・センター、エキスパート・ツーリング&オートメーション、クリエイティブ・コンポジット、ファジー・ロジック・スタジオ、ウォーリック大学WMGが同プロジェクトの推進をサポート。
より具体的な研究・開発内容としては、スーパースポーツからSUVまで対応できるモジュール式BEVプラットフォームに、軽量800Vトラクション・バッテリー・パックとツイン・フロント電気駆動ユニット(EDU)を組み込むというもの。
この取り組みについてアストンマーティン・グループ最高技術責任者(CTO)のロベルト・フェデリ氏は、「アストンマーティンの電動化戦略とイノベーションを目指す私たちの絶え間ない取り組みは、APCからの資金提供を受けて更に大きく前進します。
アストンマーティンは2025年の発売を目指して、ICEに代わる初の全電気自動車の開発を進めています。
来たる2024年には、初のプラグイン・ハイブリッドとなるミッドエンジン搭載スーパーカー、Valhallaを発売する予定であり、2026年までには自社モデルラインの全てに電動パワートレインのオプションが用意されます。また長期的な目標として、2030年までに中核レンジの完全電動化を目指しています。
今プロジェクトでは、これらを前提に提携パートナー達との取組みを愉しみつつ、ビスポークのBEVプラットフォームの可能性を追求。BEVテクノロジーのリーダーになることを目指します」と話している。
またAPC最高責任者のイアン・コンスタンス氏は、「この第23回目にあたる共同研究コンペティションはAPC設立10周年と重なっています。
これまでAPCが設立されて以降、自動車プロジェクトに14億ポンドを超える投資が行われており、私たちが英国にもたらしてきた影響を我ながら誇らしく思います。
今回の発表には、英国の自動車の強みを体現するさまざまなOEMとサプライヤーが関係しています。私たちの革新的なプロジェクトに係る彼らのサポートを受けて、英国独自のネットゼロ目標を達成する大きな原動力となることでしょう」とコメントした。