
ドライバー専用研修施設「滑川福田センター」
埼玉県さいたま市大宮区に本社を置く中堅物流事業者のアサヒロジスティクス(保有車両1,600台、ドライバー2,500人超)は3月1日付で、2024年12月に国内初の「特定技能1号評価試験」に合格した福岡県在住の中国籍の大学生をトラックドライバーとして採用する。
同社ではこれまで、ドライバー不足の課題に備え、未経験者のトラックドライバーデビューをサポートする体制の整備を進めてきた。そうしたなかで自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れ制度の開始を受けて、この機会をいち早く捉えた格好だ。
この「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れ制度」とは、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)が発端となった。
深刻化する人手不足に対応するべく、生産性向上や国内人材の確保のための取り組みを行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業分野で、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材の就労を目的とした在留資格「特定技能」が創設。
自動車運送業(トラック・バス・タクシー)でもドライバー不足解消に向けて、2024年3月に特定技能制度の対象分野へ「自動車運送業分野」が追加された。
中型免許短期取得プランを導入した同社グループ会社の川越自動車学校
これを受けてアサヒロジスティクスでは、実技と座学でトラック運転を基礎から学べるドライバー専用研修施設としての「滑川福田センター」(埼玉県比企郡滑川町)、トラック運転に必要な上位運転免許の取得支援制度、グループ会社の川越自動車学校(埼玉県川越市/代表取締役社長 横塚 元樹)での中型免許短期取得プランの導入、全車両のAT化(一部特殊車両を除く)など、安定的なドライバー確保に向けてノウハウを蓄積し、同制度を有効に活用できる体制を整えてきた。
今採用について同社・人財本部・高橋寛本部長は、「今後は外国人ドライバーも配送の担い手として検討していく必要がありますが、当社としては、まずは周氏をしっかりと育成して特定技能1号に関するノウハウを蓄積していくことで、来る時代に備えておきたいと考えております。
今回入社いただくドライバーが現場で活躍できるよう、責任をもって育成してまいります。さらにそれが、深刻化するドライバー不足に悩む物流業界においても重要な一歩になればと考えています」と述べた。
加えて同社では、「特定技能1号外国人ドライバーにおける国内第1号認定を目指し、在留資格の切り替えを進めると同時に、就労までに準中型免許取得を目指して頂く考えです。なお今採用者は日本語学校を卒業、現在は日本国内の大学の学生であり今春卒業予定です。日本語能力試験N2レベルを取得されており、当社のドライバー育成制度を活用して貰いつつ、ドライバーデビューをしっかりサポートしてまいります」と話している。