日産出身で元三菱自副社長の長岡宏氏が新社長に就任( 2025年1月1日付 )
1929年に曙石綿工業所(当時)として創業した曙ブレーキ工業( 本店兼グローバル本社所在地:東京都中央区日本橋室町 )は12月19日、事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ( JIS / 所在地:東京都千代田区丸の内 / 日本政策投資銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行などが出資し、銀行の系列を超えて事業会社の再編・再生を促す企業再生ファンドとして運営 )がトヨタ自動車に代わって筆頭株主になることを明らかにした。
具体的には、上記JISが保有する議決権のない種類株式の一部6300株を2025年1月中に普通株に転換することによって、転換後の保有割合が50.7%と過半になることが筆頭株主が交替する事由。この結果、トヨタの保有割合は5.7%( 従来は11.6% )に低下して2位株主となる。
加えて曙ブレーキ工業は、流通株式比率が35%以下に下がることを踏まえ、プライム市場からスタンダード市場への変更も検討する。
更に筆頭株主の交替に伴い経営体制も刷新する。25年1月1日付で日産自動車を経て三菱自動車で副社長を務めたJISの長岡宏非常勤顧問( 2月28日に開く臨時株主総会での承認を経て )が、代表権のある執行役員社長CEO( 62 )に就く。宮地康弘社長CEO( 67 )は退任する。
ちなみに曙ブレーキは、資金繰り悪化などで19年に金融機関から債権の一部放棄により、JISの出資を受け、財務基盤を整えながら事業再生ADR( 裁判以外の紛争解決 )を使った再建を目指していた。今後も、その取り組みは変わらず、JISのもとで企業価値の向上を急ぐ。
以下は筆頭株主の異動(予定)に伴う発表概要のURLとなる(曙ブレーキ発表)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7238/tdnet/2541838/00.pdf
*新社長の長岡宏氏( ながおか・ひろし )は、京都大学大学院工学研究科航空工学専攻修士課程修了。1986年4月日産自動車入社、2014年4月常務執行役員、19年4月三菱自動車専務執行役員、20年2月代表執行役、21年4月副社長などを経て24年11月から現職。25年1月1日付で曙ブレーキ工業社長CEOに就任予定。1962年3月生まれ。群馬県太田市出身。