実証後導入が決まったコンテナ船の例
旭化成エンジニアリング(AEC)は、来たる9月3日~6日までドイツのハンブルクで開催される海事産業の国際展示会「SMM 2024(Shipbuilding, Machinery and Marine Technology trade fair)」に、舶用モーター向け状態監視サービス「V-MO™(Vessel Vibration Visualization Monitor)」を出展する。「V-MO」の欧州での展示会出展は今回が初めてとなる。
上記の「SMM」は、Hamburg Messe und Congress GmbHが主催する海事産業の国際的フォーラム。2年に1回、造船、海洋産業の関係者が世界各地からハンブルクに集まり、最新技術を紹介する海事産業界にとっては恒例行事となっているもの。
約2000社が出展した前回(2022年開催)は、カーボンニュートラルにフォーカスしたエネルギー転換への最先端技術などが展示され、約4万人が来場した。この「SMM 2024」で同社は、V-MOの機材展示の他、親機、子機、中継機、加速度センサ、アプリ実演などを提案していく。
そのなかで初展示となる「V-MO」は、商船三井と共同開発した舶用モーターの故障予兆を検知するサービスを指す。2017年の開発開始以降、様々な船種に於いて試運用を行い、2023年5月に販売代理店となる富士貿易を通じて販売を開始。今年4月には、MOL Ship Management Singapore Pte Ltd(本社:シンガポール)のコンテナ船への導入が決定した。
そんな「V-MO」は、クラウドに送られたデータを旭化成エンジニアリングの振動診断有資格者が確認・サポートすることにより、陸から遠く離れた外航船のモーターであっても、船内と同様にコンディションモニタリングができるサービス。
船舶に搭載されているモーターに設置した振動センサーからデータを自動収集・解析することで、継続した状態監視を行い、専門知識がなくても故障予兆を把握できるように設計されている。
このため、故障の可能性が予測された場合には、船舶が港に到着する前に修理手配ができるため、寄港時の速やかな修理が可能となり、運航効率や安全性の向上に貢献できる。また、破損に至る前に修理を行うことでメンテナンスコストを下げることができる。
同社では、「V-MOにより海上のDXを進めることで、世界の船舶の安心安全な運航をサポートして参ります」と話している。
名称: 旭化成エンジニアリング株式会社
設立: 昭和47年2月15日
資本金: 4億円 (旭化成株式会社100%)
本社: 〒108-0075
東京都港区港南二丁目16番4号 品川グランドセントラルタワー16階
人員: 491名(2024年3月)
役員:代表取締役社長 岡田 一郎
企業URL:https://www.asahi-kasei.co.jp/aec/index.html