キャピタルゲインの獲得を主業とするフプライベート・エクイティ・ファンド( private equity fund )のアドバンテッジパートナーズは7月23日、公開買付け会社を「AP78」と定めて古河電池の発行済全株式を取得( 買収 )するべく、古河電池の普通株式( 約400億円 )に対する公開買付け( TOB )の実施を明らかにした。
アドバンテッジパートナーズは、去る2021年に買収した鉛蓄電池会社と古河電池を統合する計画で、これにより主にEVの補助電池や、再生可能エネルギーの貯蔵で活躍する蓄電池産業の再編を主導する構えだ。
上記「AP78」は、国内外の競争法に基づく必要な手続き及び対応が完了することなど、一定の前提条件が充足された場合( 又は公開買付者により放棄された場合 )、速やかに当該公開買付けを開始する( 具体的な買付け開始は、来年3月下旬が目安となる見込み )。
今年1月に報道された月面着陸機「SLIM」にも、古河電池の開発製品(ステンレスラミネート型リチウムイオン電池)が搭載されている( JAXA提供 )
対して古河電池は、同日開催の取締役会に於いて、AP78側からの公開買付けに賛同の意見を表明すると共に、自社株主に対して公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行った。
また古河電池の親会社である古河電気工業は、古河電気工業が所有する全普通株式( 所有割合:57.30% )を以て、当該買付けに応募しないことでAP78と合意している。その後のTOB成立後に保有株式( 57.3% )を一旦、全売却する流れ。古河電池は、一連の取引成立後に上場廃止となる。
なお先の通りAP78は、アドバンテッジパートナーズが提供するファンド( APファンド )投資先のサステナブル・バッテリー・ホールディングス( 公開買付者親会社 )の完全子会社。
そのA78が公開買付けの決済に要する資金は、公開買付者親会社からの出資と東京センチュリー等の金融機関からの借入れにより賄う。また公開買付者親会社は、公開買付者への出資に要する資金をAPファンド及びにTCインベストメント・パートナーズ( TCIP )から出資調達する建て付けとなる。
1.公開買付者の概要
(1)名称:株式会社AP78
(2)所在地:東京都港区虎ノ門四丁目1番 28 号虎ノ門タワーズオフィス17階
(3)代表者の役職・氏名:代表取締役 印東徹
(4)事業内容:経営コンサルティング業、有価証券の取得・保有・運用・管理及び売買、その他これらに付帯関連する一切の業務
(5)資本金:250千円
(6)設立年月日:2024年2月2日
(7)大株主及び持株比率(同日現在):サステナブル・バッテリー・ホールディングス株式会社:100%
(8)当社と公開買付者の関係
資本関係:該当事項なし
人的関係:該当事項なし
取引関係:該当事項なし
関連当事者への該当状況:該当事項なし
2.買付け等の価格
当社株式1株につき、金1,400円( 同日終値を約23%上回る水準 )
3.同取引後の想定状況
AP78は取引後、古河電池の全発行済株式( 当該法人としての自己株式を除く )を所有するため、取引後の公開買付者親会社の株式所有割合はAPファンド約60%、TCIP約20%、古河電気工業約20%となる予定。