交通量が多い状況下では交通弱者に安全上のリスクをもたらす
ABボルボ傘下のボルボ・トラックは10月31日(スウェーデン、ヨーテボリ発)、ボルボ・トラックによる事故ゼロとする自社長期ビジョンに向けて推し進めるべく、自転車や歩行者などの交通弱者を保護するためのアクティブ・セーフティ・システムを継続的に改良してきた。
そうしたなかで同社が目指す最新課題は、量産車向けに車載を進めているアクティブサイド衝突回避サポートだという。ここでのキーワードは「アクティブ」にあり、これは既存の安全システム進化させたもの。
具体的には旧来のファクターにアクティブブレーキ機能を追加した。その仕組みは、まず車体の周囲をくまなく検索するレーダーセンサーを使用して接近する自転車を検出。
仮に直近に自転車を補足した際、システムはドライバーに警告を発し、必要に応じてトラックを助手席側に向ける時などで自転車との衝突を回避するべくトラックをアクティブに自動ブレーキをかける。
この追加機能についてボルボ トラックの交通および製品安全担当ディレクターを務めるアンナ リーゲ ベルリング氏は、「トラックは死亡事故の15パーセントに関与しており、市街地の交通は最も経験豊富なトラック運転手にとっても困難な場合があります。
ボルボ トラックでは、運転手と他の道路利用者の両方を保護するために、トラックの安全性能の向上に常に取り組んでいます。市街地で自転車に乗る人を保護することを目的としたこの安全システムは、当社の最新のイノベーションのひとつであり、ボルボ トラックによる事故ゼロという長期ビジョンに一歩近づくことになります」と述べた。
ふたつ目のシステムは、次世代型緊急ブレーキ付き衝突警告システムだ。このシステムは2012年に初導入され、それ以来継続的に改良が重ねられてきた。その仕組みは、カメラとレーダー センサーの両方を使用してトラックの前方の交通を監視し、衝突の危険が検出されると、システムがドライバーに警告し、必要に応じて自動的にブレーキを掛けて衝突を回避または軽減するように設計されている。
先のベルリング氏は、「最新の改良により、このシステムは他の車両だけでなく、歩行者や自転車も検知、警告、ブレーキを掛けることができます。このシステムは、2028 年まで施行されない、より厳しい先進緊急ブレーキ システムに関する新しい欧州規制* を満たすことが認定されています。さらに、ボルボ トラックのシステムは、対象とする交通状況の点で、今後の規制を上回っています。
事故ゼロという当社のビジョンに沿って法的要件が実施されていることを嬉しく思います。しかし、ボルボでは法律制定を待つつもりはありません。私たちは革新を続け、新しい機能で法的要件を超え、当社自身の野心的な目標をサポートしていきます」と結んでいる。
なおアクティブ側面衝突回避サポートシステムは、2024年11月より世界中の市場でボルボFHシリーズ、FM、FMXモデルで搭載受注が可能となる。また法制化(国連規則第131号の改正第02シリーズ)よりも数年先を行く先進緊急ブレーキシステム(AEBS)は2025 年以降、欧州のすべての FH シリーズ、FM、FMX トラックに標準装備され、世界中でオプションとして搭載可能となる見込みだ。