オリックス資源循環は6月10日、再生可能エネルギー発電施設「寄居バイオガスプラント」の竣工を発表した。
寄居バイオガスプラントは、埼玉県寄居町に位置する、一般廃棄物を活用した国内最大規模となる設備容量1.6MWの乾式のメタン発酵バイオガス発電施設。2021年6月より試運転を開始し、2022年1月に商業運転の開始を予定している。また、乾式のメタン発酵バイオガス発電施設の竣工は、関東圏で初となる。
寄居バイオガスプラントは、まず食品廃棄物や紙ごみなどの一般廃棄物(バイオマス)をメタン菌により発酵させることでバイオガスを生成させ、このバイオガスを発電用燃料として利用する再生可能エネルギー発電施設。
主に国内で普及しているバイオガス発電施設の多くは湿式のメタン発酵技術を用いており、家畜の排せつ物や食品の残りかすなど、水分含有率の高い有機物の処理に適している。
これに対し、寄居バイオガスプラントで採用する乾式のメタン発酵技術は、これまで処理が困難とされていた水分含有率が低い有機物からもバイオガスを高効率に取り出すことができる。この技術により、紙ごみや異物であるプラスチックなどが一緒に排出される食品小売業や外食産業でもバイオガス発電施設が利用できるようになり、食品廃棄物と異物などの他の廃棄物との分別をせずにリサイクルできるようになる。これまで可燃ごみであったものをエネルギー(電気、温水)として利用できることで、焼却処理する廃棄物の削減に繋げ、廃棄物焼却処理におけるCO2排出量を低減する。
オリックス資源循環は、2006年より埼玉県寄居町の「彩の国資源循環工場」において、最先端の熱分解ガス化改質方式を採用した廃棄物高度処理施設(ゼロエミッション施設)を埼玉県とのPFI事業として運営しており、民間施設としては国内最大級の日量450トンの処理能力を有している。引き続き蓄積してきた知見を生かし、循環型社会の構築による環境負荷の低減を図るとともに、持続可能な廃棄物処理事業を通じて、地域社会の安定に貢献したい考えだ。
寄居バイオガスプラント
所在地;埼玉県大里郡寄居町大字西ノ入3050-23
埼玉県環境整備センター「彩の国資源循環工場」第Ⅱ期事業地内
最大処理能力:100トン/日
設備容量:約1,600kW
年間発電計画:約9,800,000 kWh(一般家庭約3,140世帯分の年間消費電力に相当)
試運転開始時期:2021年6月
商業運転開始時期:2022年1月(予定)