ヤナセは、クラシックカーの祭典「AUTOMOBILE COUNCIL 2019」(以下、オートモビル カウンシル2019、4月5日〜4月7日・幕張メッセ)に出展し、故吉田茂 元首相が所有したメルセデス・ベンツなど、同社が運営する「ヤナセ クラシックセンター」でレストアした貴重な車両の数々を展示した。
ヤナセ クラシックセンター(神奈川県横浜市都筑区川向町1117番地)は、2018年4月にオープンしたレストア専門店。1915年に創業し、輸入車販売を中心に100年以上の歴史を誇る同社が持つ豊富なノウハウや技術を生かし、貴重なビンテージカーを修復・復元するサービスが主な業務だ。
また、メルセデス・ベンツのリビルト工場も併設し、最新型から30年前の車両まで、幅広い年代のリビルトパーツも取り揃えている。
同イベントに初出展となった展示ブースには、同社がレストアを手掛けた旧車など9台が参考出品された。
中でも、注目だった車両のひとつが、1963年式メルセデス・ベンツ300 SEラング(W122)。
1963年9月22日、故吉田茂 元首相83回目の誕生日に、当時のヤナセ社長である故梁瀬次郎氏が神奈川県大磯の吉田邸へ、輸入第一号車を直接届けたというエピソードを持つ車両だ。
このモデルは、1959年発売の「220系」(W111)をベースに、エアサスペンションや4輪ディスクブレーキ、3L直列6気筒SOHCエンジンを搭載した300SE(W112)のロングホイールベース仕様(ラングは英語でロング=長いの意味)。
同社では、当車両に装備されているエアサスペンションの点検整備や、燃料系などの点検修理を実施。今後は外装関係のレストア作業を行う予定だ。
また、ブースには1963年に同社子会社のウェスタン自動車が輸入し、ヤナセネットワークで販売されたメルセデス・ベンツ600(W100)2台を展示。
メルセデス・ベンツ600リムジーネは、故梁瀬次郎名誉会長が愛用していた車両で、現在も現役で走行可能な状態を維持している。
メルセデス・ベンツ600プルマンは、当時のテイストを崩さずにエアサスペンションやヘッドライト、オーディオなどの修復・交換作業を行った車両。
他にも今回のブースには、
メルセデス・ベンツの歴代SL、190SL(W121)、280SL(W133)、560SL(R107)も展示。
加えて、フォルクスワーゲン・タイプ1には、同社がアメリカから輸入を開始するカーカプセルを施して展示。
このカーカプセルは、車両を埃などから防ぎ、ファンを回すことでカプセル内の空気を循環し湿気なども低減することが可能。これらにより、ビンテージカーなどのコンデションを保つ事ができる車両用カバーだ。
価格は、フォルクスワーゲン・タイプ1に施工した屋内用のインドアカプセル18(L548cmxW198cmxH172cm)で10万2000円(税抜)だ。