ヤマハ発動機は7月30日、二輪車製品の出荷に用いる梱包枠の原材料として、低炭素・循環型鋼材である「電炉鋼板」の適用を開始し、今後、その適用範囲を順次拡大していくと発表した。なお、二輪車用梱包枠への電炉鋼板の採用は国内初(※1)であると云う。
電炉鋼板は、鉄スクラップを電炉で溶解後、圧延する方法によって製造される、鉄鉱石とコークスを用いて製造する従来型の高炉材との比較で、製造時のCO2の発生量を大幅低減できるリサイクル材。
同社は、二輪車用梱包枠として、建築解体や廃家電、廃自動車材等の鉄スクラップを主原料とした東京製鐵製の電炉鋼板を、今年10月出荷分から採用し、今後、適用範囲を段階的に拡大することで、梱包枠に於けるリサイクル材の比率を高めていくとしている。
なお、同材料は、両社による実証で、梱包枠に適用可能な性能・品質であることが確認済みであると云う。
ヤマハ発動機は、グループの長期環境計画に於いて、2050年までに事業活動を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラル(*2)を目指していることから、その実現のため、100%サステナブル材への切り替えを目標に、グリーン材の採用やリサイクル材の拡大等を、今後も推進していくとしている。
※1:ヤマハ発動機調べ(2024年7月)。
※2 企業活動に於ける自社の排出(スコープ1.2.)+スコープ1.2.以外の排出(スコープ3.)。