ヤマダ電機は10月31日、「緊急時に水に浮く超小型 4 人乗り電気自動車」をコンセプトに革新的なモビリティ開発を進める株式会社FOMMと資本業務提携契約を締結したと発表した。(坂上 賢治)
※写真は2014年2月発表時のFOMMコンセプトOne。小型4人乗りで水に浮き水面移動可能な対水害機能を備えている。
全長×全幅×全高:2495×1295×1550(mm)、 空車重量:460kg、 乗車定員:4名、 最高出力:5kW×2、最大トルク:280N・m×2(FFインホイールモーター)、※いずれの数値も当時の開発目標値である。
この資本業務提携契約の背景は、ヤマダ電機が地球環境との共生が、社会・経済の持続的発展の基盤であると考えているためだと云う。
これを前提に同社は、環境負荷低減を目指す取り組みとして、一般家庭での省エネ・創エネ・畜エネ推進の支援。
使用済み家電のリユース・リサイクル事業の他、スマートハウス事業など、社会全体の環境負荷低減に向けた取り組みを積極的に展開してきた。
そして今回、ヤマダ電機はFOMMとの資本業務提携を介して、小型電気自動車の販売を通した社会普及を促進し、これまで以上に環境に配慮した事業戦略を推し進める。
そのFOMMの電気自動車は、コンパクトなサイズでありながら 4人乗車が可能であり、近距離移動に最適な設計がなされている。
さらには世界でも他に類を見ない、水に浮くという性能を有しており、異常気象等で発生する水害時に於いて安全に移動することができる点に着目した。
かつてインホイールモーターの速度記録車で話題を集めた慶應義塾大学名誉教授・清水浩氏と同じ「かわさき新産業創造センター」に拠点を構えるFOMM代表の鶴巻日出夫氏は、スズキからトヨタ車体を経て2013年にFOMMを設立。
環境保護と低価格が両立する超小型EVを開発し、目下タイでの車両量産を目指している。
一方、日本国内ではヤマダ電機が持つ日本最大級の店舗ネットワークの強みを活かした小型電気自動車販売の実現目指す。
さらにはヤマダ電機では、電気自動車を「21世紀の新しい家電」と位置づける新たな発想とサービスとの融合により、同社グループ店舗でのバッテリーチャージング、カーシェアリング、スマートハウス事業との融合による環境負荷を低減する住まいづくりなど、次世代モビリティ・ビジネスの構築を求めていく。
ヤマダ電機では、「FOMMの電気自動車との組み合わせにより、総合的な環境ビジネスとしての事業を推進するとともに、「創造と挑戦」の理念をもとに社会・環境に貢献すべく新たなる可能性を追求してまいります」と語っている。
株式会社FOMMの概要
(1)名称:
株式会社FOMM
(2)所在地:
神奈川県川崎市幸区新川崎7-7かわさき新産業創造センター(KBIC)本館214号
(3)代表者の役職・氏名:
代表取締役社長 鶴巻 日出夫
(4)事業内容
– 小型電気自動車開発(世界最小クラス4人乗り電気自動車を2014年発表)。
– 部品開発(小型電気自動車専用高性能インホイールモーターの開発)。
– 超小型電気自動車に関する技術コンサルタント。
– 研究開発(地域ニーズに応じた機能開発)。
(5)資本金:
515百万円(平成29年8月10日現在)