中国の大手総合家電メーカーのシャオミ( Xiaomi Corporation / 小米集团並びに小米汽車 )は4月2日、同社初の量産電気自動車の「SU7( SU7の車名には、スピード・ウルトラ・セブンの意味を込めた )」を北京で正式に発売した。同社によると既に発売初日に88,898件以上の予約があったとしており、Pro版は4月から、Max版は5月から納品を開始する予定としている。( 坂上 賢治 )
このSU7は、CATL( 寧徳時代 )製のバッテリーを搭載( 車種グレード別に73.6kWh・94.3kWh・101kWhの3つ )。最上位モデルの航続距離は最大830キロ( 標準モデルは700キロ )を走破する。販売価格は21万5900元( 約450万円 )からとしており、米テスラ・モデル3よりも3万元( 約60万円 )安い価格設定とした。
ボディサイズは全長4997mm、全幅1963mm、全高1455mm、ホイールベース3000mm。最高速度は265km/h、0-100km/h加速は2.78秒、フランク( 前方トランク )容量105L・後方トランク容量517Lなど、テスラ並びにポルシェパナメーラを架装競合に据えた製品提案を行った。それゆえ、Maxグレードには前後にモーターを搭載したAWD仕様とするなど、スペックや搭載装備もこれら競合を上回る製品価値を訴求している。
またXiaomi SU7 ProとMaxバージョンは、NVIDIA DRIVE Orin コンピューティング プラットフォームをベースに、ルーフ上にhesai technology co. ltd( ヘサイテクノロジー )の高性能AT128長距離ライダーを搭載した。このAT128ライダーは128個の独立したVCSELレーザーを備えた高いイメージング機能と長距離検出を可能にするという。
従って自動運転機能についても、現時点で欧米での主流であるレベル2+以上を実現させたい意気込みを見せており、シャオミでは、ソフトウェアとハードウェアの相乗効果により、自らの力だけで知覚機能の信頼性を大幅に向上させられることを打ち出し、今後はインテリジェント運転機能のリーダーとしての地位を確立すると謳っている。
加えて先の3月のSU7の製品プレゼンテーションで登壇したシャオミの雷軍・最高経営責任者( CEO )によると、自社の最大の強みは「スマートデバイス+モビリティ+住宅や建築物」のインフラ等を包括したIoT系エコシステム( 生態系 )の構築にあると語っている。
ゆえにシャオミとしては、中国当地に於ける総合家電メーカーとしての立ち位置を活かして将来的には、「人間、車両、住宅のエコシステム」戦略に焦点を当てて、Hesaiとの協力も深めていくことに取り組むとしている。
Xiaomi EV Launch March 2024(YouTube)