大型商用車用部品のグローバル企業ワブコの日本法人であるワブコジャパンは、5月23日〜5月25日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」(神奈川県・パシフィコ横浜)で、大型トラック等の完全自立走行に向けた「アクティブ・ステアリング・テクノロジー」を日本で初公開した。
ステアリングユニット上部に内蔵する油圧ステアリング・ギアに、小型の電磁アクチュエータを一体化させた独自の技術やデザインを採用したのが「アクティブ・ステアリング・テクノロジー」。
これは、自律走行の構成要素のひとつである横方向の車両制御のための技術で、独自のアルゴリズムを採用したステアリングECU等 により、車両の安定制御や軌道制御を可能とするものだ。
同社は、この技術を、2017年に買収したR.H.シェパード社や戦略的パートナーシップを締結したネクスティア・オートモーティブ社からの技術を組み合わせることで実現している。
現在、同社はこの技術を使い、米国でドライバー支援のための車線維持支援システム「On Lane ASSIST(オン・レーン・アシスト)」の走行距離蓄積のための実地試験を実施中だ。
実地試験は、車両が車線レーン中央を維持して走行することを目的としたもの。
車両が車線から外れようとした場合には、まず警告音でドライバーに知らせ、それでも車線に戻らない場合は、このシステムが作動し自動でステアリング修正をして車両を車線に戻すという。
同社では、このような試験により、当面は運転支援、そしてその先に自律走行の実用化を見据えた数々のトライアルを続けている。
同社ブースには、他にも、12段以上のマニュアルミッションが必須となる大型トラック等で、初心者ドライバーでも運転が容易になる「マニュアル・トランスミッション自動化システム(AMT)」等も展示。
大手車両メーカーで既に採用実績があるこのシステムも、多くの来場者の注目を浴びていた。