人々は何世代にも亘り、VWから人生最初のマイカーを購入してきた
フォルクスワーゲングループの取締役会は5月末( 独・ウォルフスブルグ発 )、エントリーレベルの電気自動車を更に普及させるためのプロジェクトを開始する。具体的には、2027年の世界初公開へ向けて、ヨーロッパ向けの低価格( 2万ユーロ前後の価格帯 )BEVを市場投入する。
フォルクスワーゲン グループCEO のオリバー ブルーメ氏は、「何世代にも亘り、人々は当社ブランドから人生最初のマイカーを検討下さり、家族のための手頃なモビリティー像と、それを使う生活に想いを馳せた様々なストーリーがありました。
それゆえ私たちは今日に於いても、モビリティが果たすべき社会的責務を担い続けており、それは今後も続きます。そうした想いから、今回、未来のマスマーケットに対する新たなモビリティプロジェクトを立ち上げることができ、大変嬉しく思います。
また、これはヨーロッパ発の、ヨーロッパへ向けたエントリーレベルのe-モビリティを提供するプロジェクトです。これは広域市場としてのヨーロッパをターゲットとして施策であり、ヨーロッパの産業政策への強いコミットメントでもあり、結果的にはヨーロッパのお客様の利益に繋げていくための決断でもあります」と述べた。
このオリバー ブルーメ氏のコメントを受けてフォルクスワーゲンブランドCEO兼コア ブランド グループ責任者のトーマス シェーファー氏は、「これからはヨーロッパの日常生活に密着した真の電気自動車時代が到来します。そんな新たな時代に向けて、e-モビリティを本格普及させるためには、特にエントリーレベルのセグメントで最も魅力的な車両を投入する必要があります。
VWはエントリーセグメントのBEVモビリティで新基準を確立する
もとより私たちのブランドは、全ての人々のためのe-モビリティを実現することをお約束しています。従ってブランド グループ コアでは、この約束を真摯に果たしていきます。
私たちの電気自動車は、魅力的な価格だけでなく、テクノロジー、デザイン、品質など、お客様に体験頂く様々な場面で、エントリーセグメントに於けるBEVモビリティで新基準を確立することでしょう。
それゆえ我々は、同プロジェクトで調達および製造の大部分をヨーロッパで行うことになります。これは産業拠点としてのヨーロッパにも大きなメリットをもたらすことになります。そうしたなかで最大の利点は、コンポーネントを輸送するための経路が短縮され、その結果としてCO2排出量も大幅に削減されることがあります。
一方で、そうした取り組みを達成させるには、エネルギー、社会環境への貢献、原材料の調達コストの上昇などで、以前よりも困難になっていますが、今回決定したプロジェクトは、ヨーロッパで電気自動車を広く普及させるための重要な一歩です。当社ブランドは、ヨーロッパ発の、最も完成度の高いヨーロッパ向けの電気自動車を提供することで、皆様の期待に応えていきます」と語った。
なお現段階でフォルクスワーゲンブランドは自社独自の「Electric Urban Car Family(エレクトリック アーバン カー ファミリー)」の開発に取り組み、2025年末にも25,000ユーロ未満の電気自動車を発表する予定としている。
最直近ではフォルクスワーゲンとクプラからそれぞれ1台ずつ、合計2台の新型コンパクトカーを。更にシュコダとフォルクスワーゲンからそれぞれ1台ずつ、合計2台の小型SUVの導入を計画しているという。これら4台の車種は全てスペインで生産される予定だ。