ボルボ・カーズは3月8日、北欧・中欧において年間を通じて使用可能なリチャージタイヤを電気自動車に標準装備することを発表した。
同社は、夏用タイヤや冬用タイヤよりも幅広い天候や路面状況に安全に対応できるタイヤを1セット使用することで、年に2回のタイヤ交換の負担を軽減するとともに、CO₂排出量を削減することを目指している。
リチャージタイヤは、通年用タイヤとしては初めてAクラスのエネルギー効率を達成。リチャージタイヤを装着して電気自動車のボルボXC40を走行させた場合、冬用タイヤを装着して走行した場合と比較して、エネルギー消費量を最大8%削減し、平均航続距離を伸ばすことができる。
同社は、1年を通して1セットのタイヤを使用する顧客が増えれば、アルミホイールの生産量を減らすことにも繋がり、気候変動への影響を軽減することができるとしている。
「電気自動車では、タイヤの転がり抵抗を少なく保つことが従来の内燃機関を動力源とする車両よりも重要で、それは電力消費量と航続距離に大きな影響を与えます。通常、この特性は夏タイヤに限られていますが、リチャージタイヤを使用することで、冬の間もこの特性を維持し、お客様と環境への明確なメリットを実現します」とボルボ・カーズ・サステイナブル・センターのギゼラ・ブロンクビストは話した。
ヨーロッパの多くの地域では、従来の夏用タイヤと冬用タイヤのセットアップが、実際の天候や道路状況に合わせて最も安全な選択肢であるとは限らない。
ボルボ・カーズのセーフティエキスパートは、気温が0度前後で乾燥していたり、湿っていたりするような状況では、従来の夏用タイヤや冬用タイヤを使用するのは安全性が低いと指摘し、このような状況では、リチャージタイヤが最も安全な選択肢になるとしている。
また、冬の寒さが厳しく雪や氷の上を走ることが多い地域では、従来のスタッドレスタイヤやスパイクタイヤが最も安全な選択肢であることに変わりはないとしながらも、リチャージタイヤは選択肢の一つとして利用可能だとしている。
「完璧な世界では、毎朝起きて窓の外を見て、天気予報に耳を傾け、車を運転する前に見聞きしたことに基づいて、自分の車に適したタイヤを装着することになるでしょう」と、ボルボ・カーズ・セーフティ・センターのシニア・セーフティ・エキスパート、ヤン・イバーソンはコメントしている。「もちろん、それはあまりにも無理なことなので、私たちは一年中お客様の安全を守るためのベストバランスな選択肢としてリチャージタイヤを提供しています」。