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2024年6月26日【新型車】

ボルボ製EVトラック、累計走行距離8000万キロに到達

坂上 賢治

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世界45カ国で述べ3,500台以上のEVトラックが走っている

 

ABボルボ傘下のボルボ・トラックは6月25日( スウェーデン イェーテボリ発 )、先の2019年に初のオリジナルEVトラックを発売して以来、世界45カ国で3,500台以上の製品を販売。その累計走行距離が、8,000万キロメートルに到達したことを明らかにした。( 坂上 賢治 )

 

この8,000万キロメートルという、とてつもない数字は欧州のみならず、世界に向けて納車した3,500台超のEVトラック全体の累積距離であり、それは地球2,000周以上にもなるという。これらのトラック達はCO2排出量を大幅に削減したと同時に、ドライバーの労働環境の改善にも大きく貢献した。

 

 

より詳細にその足跡を辿ると、2019年以降、ボルボ製EVトラックは世界中の商用交通網で8,000万キロメートル以上を走破。この距離を同等のディーゼルエンジン搭載トラックで走行した場合、2,500万リットル以上のディーゼル燃料が消費されることになり 、そんなディーゼル搭載トラックの排気管から排出される二酸化炭素量はEVトラック比で約68,000トン増( GLECフレームワークv3のWell-to-Wheel計算による )にもなる。

 

蓄積した先行ノウハウは、ボルボの次世代製品の開発にも活かされる

 

この数値についてボルボ・トラックのロジャー・アルム社長は、「輸送会社が日常業務でEVトラックのメリットを存分に活用頂いていることをとても嬉しく思います。今日トラックによる輸送領域は、世界の二酸化炭素排出量の7%を占めており、走行中の環境負荷が極めて低いEVトラックは、炭素排出量のフットプリントを大きく削減させるための強力なツールとなります。

 

また世界に先んじて、我が社のEVトラックの導入をご決心下さり、各国の輸送産業を牽引して下さったお客様のお陰で、我々は電動技術の未来に対して大きな可能性を実感することができました。その結果、当社はEVトラックを利用したゼロエミッション輸送で独自の専門知識を得ることができ、それらの知識は、他社よりも先駆けて突き進んでいる次世代のボルボ製品の開発に活かされています。

 

 

また逸早くEVトラックを手にされ、各国のアーリーアダプターとなられた輸送事業者様は、各々の国に於いて大きな競争上の優位性を獲得されたことでしょう。加えて、その成果は、EVトラックと充電インフラ環境の双方への投資をご決心頂いたことによって、物流事業上での脱炭素化が実現できたばかりではなく、キャビンの騒音や振動レベルが大幅に低下したことで、ドライバーの運転環境も大幅に改善されることになりました。

 

今年第1四半期に欧州で販売されたEVトラックの過半がボルボ製に

 

そんなボルボ製EVトラックの世界出荷台数の推移は先の通りで、2023年に256%増加して1,977台となり、今年、6大陸45カ国の顧客に3,500台以上の電気トラックを納入することができています。その内訳は、欧州で今年第1四半期に電気トラックをお求めになられる半数以上のお客様が当社製品をご選択頂いたことにより、当地のEVトラック部門に於ける市場シェアは56%に到達。米国でも販売済みのEVトラック全体の44%をボルボ製が占めています。

 

また昨年は、ブラジル、チリ、ウルグアイなどのラテンアメリカのお客様へも初の大型EVトラックを納入できたことで、世界規模でボルボの存在感が大きく拡大しています。加えてモロッコ、韓国、マレーシアにも大型EVトラックを納入した最初のトラックメーカーとなりました。おそらくこうした流れは2024年も続くことでしょう。

 

 

そんな当社ブランドの世界実績は、輸送会社様だけでなく、SBTi( 科学的根拠に基づいた目標イニシアチブ )に署名された輸送物資の他、様々な物流サービスを享受される製品出荷を依頼される側のお客様へも波及。結果、各国の輸送部門へ関わる様々な事業者様が持続可能性の高い輸送ソリューションを要求し始めています。これは、EVトラックへの移行を促進するもう1つの強力な原動力となります。

 

EVトラックは権威ある2024年国際トラック オブ ザ イヤー賞も獲得

 

もはや製品のフルラインナップ体制を完成させている当社のEVトラックは、都市部の配送ばかりではなく、廃棄物管理から資源開発の現場、地域間輸送や建設産業に至るまで、幅広い用途のニーズを満たしています。

 

 

我々は過去5年間の電動化戦略を通じて、事業社としてエネルギー使用に係るノウハウを獲得。EV気トラックの充電と整備の最適化に関しても、他社の追従を許さない専門知識を有するまでになりました。その間、ボルボ・トラックは徐々にバッテリー搭載トラックの提供枠を拡大。現在ではBEVトラックだけでも車種ラインナップの8ラインにまで拡大しています。

 

現時点で、当社が提供するEVトラックのラインナップは、ボルボFL エレクトリック、FE エレクトリック、FM エレクトリック、FM ロー エントリー、FMX エレクトリック、FH エレクトリック、FH エアロ エレクトリック、VNR エレクトリックとなっており、そのなかでのベストセラーモデルはボルボ FH エレクトリックとなっています。なお我々のEVトラックは、権威ある2024年の国際トラック オブ ザ イヤー賞に選出されました」と語り、その栄誉に浴したことに感謝の言葉を述べて括られている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。