世界45カ国で述べ3,500台以上のEVトラックが走っている
ABボルボ傘下のボルボ・トラックは6月25日( スウェーデン イェーテボリ発 )、先の2019年に初のオリジナルEVトラックを発売して以来、世界45カ国で3,500台以上の製品を販売。その累計走行距離が、8,000万キロメートルに到達したことを明らかにした。( 坂上 賢治 )
この8,000万キロメートルという、とてつもない数字は欧州のみならず、世界に向けて納車した3,500台超のEVトラック全体の累積距離であり、それは地球2,000周以上にもなるという。これらのトラック達はCO2排出量を大幅に削減したと同時に、ドライバーの労働環境の改善にも大きく貢献した。
より詳細にその足跡を辿ると、2019年以降、ボルボ製EVトラックは世界中の商用交通網で8,000万キロメートル以上を走破。この距離を同等のディーゼルエンジン搭載トラックで走行した場合、2,500万リットル以上のディーゼル燃料が消費されることになり 、そんなディーゼル搭載トラックの排気管から排出される二酸化炭素量はEVトラック比で約68,000トン増( GLECフレームワークv3のWell-to-Wheel計算による )にもなる。
蓄積した先行ノウハウは、ボルボの次世代製品の開発にも活かされる
この数値についてボルボ・トラックのロジャー・アルム社長は、「輸送会社が日常業務でEVトラックのメリットを存分に活用頂いていることをとても嬉しく思います。今日トラックによる輸送領域は、世界の二酸化炭素排出量の7%を占めており、走行中の環境負荷が極めて低いEVトラックは、炭素排出量のフットプリントを大きく削減させるための強力なツールとなります。
また世界に先んじて、我が社のEVトラックの導入をご決心下さり、各国の輸送産業を牽引して下さったお客様のお陰で、我々は電動技術の未来に対して大きな可能性を実感することができました。その結果、当社はEVトラックを利用したゼロエミッション輸送で独自の専門知識を得ることができ、それらの知識は、他社よりも先駆けて突き進んでいる次世代のボルボ製品の開発に活かされています。
また逸早くEVトラックを手にされ、各国のアーリーアダプターとなられた輸送事業者様は、各々の国に於いて大きな競争上の優位性を獲得されたことでしょう。加えて、その成果は、EVトラックと充電インフラ環境の双方への投資をご決心頂いたことによって、物流事業上での脱炭素化が実現できたばかりではなく、キャビンの騒音や振動レベルが大幅に低下したことで、ドライバーの運転環境も大幅に改善されることになりました。
今年第1四半期に欧州で販売されたEVトラックの過半がボルボ製に
そんなボルボ製EVトラックの世界出荷台数の推移は先の通りで、2023年に256%増加して1,977台となり、今年、6大陸45カ国の顧客に3,500台以上の電気トラックを納入することができています。その内訳は、欧州で今年第1四半期に電気トラックをお求めになられる半数以上のお客様が当社製品をご選択頂いたことにより、当地のEVトラック部門に於ける市場シェアは56%に到達。米国でも販売済みのEVトラック全体の44%をボルボ製が占めています。
また昨年は、ブラジル、チリ、ウルグアイなどのラテンアメリカのお客様へも初の大型EVトラックを納入できたことで、世界規模でボルボの存在感が大きく拡大しています。加えてモロッコ、韓国、マレーシアにも大型EVトラックを納入した最初のトラックメーカーとなりました。おそらくこうした流れは2024年も続くことでしょう。
そんな当社ブランドの世界実績は、輸送会社様だけでなく、SBTi( 科学的根拠に基づいた目標イニシアチブ )に署名された輸送物資の他、様々な物流サービスを享受される製品出荷を依頼される側のお客様へも波及。結果、各国の輸送部門へ関わる様々な事業者様が持続可能性の高い輸送ソリューションを要求し始めています。これは、EVトラックへの移行を促進するもう1つの強力な原動力となります。
EVトラックは権威ある2024年国際トラック オブ ザ イヤー賞も獲得
もはや製品のフルラインナップ体制を完成させている当社のEVトラックは、都市部の配送ばかりではなく、廃棄物管理から資源開発の現場、地域間輸送や建設産業に至るまで、幅広い用途のニーズを満たしています。
我々は過去5年間の電動化戦略を通じて、事業社としてエネルギー使用に係るノウハウを獲得。EV気トラックの充電と整備の最適化に関しても、他社の追従を許さない専門知識を有するまでになりました。その間、ボルボ・トラックは徐々にバッテリー搭載トラックの提供枠を拡大。現在ではBEVトラックだけでも車種ラインナップの8ラインにまで拡大しています。
現時点で、当社が提供するEVトラックのラインナップは、ボルボFL エレクトリック、FE エレクトリック、FM エレクトリック、FM ロー エントリー、FMX エレクトリック、FH エレクトリック、FH エアロ エレクトリック、VNR エレクトリックとなっており、そのなかでのベストセラーモデルはボルボ FH エレクトリックとなっています。なお我々のEVトラックは、権威ある2024年の国際トラック オブ ザ イヤー賞に選出されました」と語り、その栄誉に浴したことに感謝の言葉を述べて括られている。