浙江吉利控股集団傘下のボルボ・カーズは11月9日、ストックホルムのダウンタウンをオンラインムービーの舞台に仕立て7人乗りの旗艦BEV「ボルボEX90」を初公開した。( 坂上 賢治 )
同社は、このEX90を皮切りに2030年へ向け、毎年1台ずつ新型BEVを発表すると予てより謳っており、2040年迄にクライメート ニュートラルな企業になる目標を掲げている。
今発表のEX90は、来年から米国内で車両製造が始動する見込みで、次いで中国でも同型車が作られる予定だ。なおこの米国・中国双方の生産工場のいずれもクライメート ニュートラル拠点になるとしている。
同社のジム・ローワン高経営責任者は「ボルボEX90は、電気自動車時代に相応しい大型SUVであり、それは私たちの新しい未来の姿でもあるのです。
純粋な100%電気自動車として生まれ、旧態依然としたハードウエア主導ではなく、ソフトウェア主導で定義されたこの車は、優れた構成技術・高い安全性・持続可能性・パーソナルな体験を生み出すという多角的な切り口で、現在、当社が何処にいて、今後、何処に向かっているのかを示しています。
そんな車両は100%電気で駆動し、1回の充電で最大600キロメートルの航続距離を可能とし、これまでの水準以上へ安全基準を高めた設計となっています。
また先の通りで、車体の全てがソフトウェアにより制御され、クライメート ニュートラルなエコシステムによって纏められています。そうした意味でボルボEX90は、文字通り新たなボルボ・カーズの始まりを意味しているのです。
また当社が過去から脈々と受け継いで来た安全性能ひとつ取っても、カメラ、レーダー、LiDAR(ライダー)などの最先端のセンサー類が、高性能の車載コアコンピューターに接続されている事により、日々毎日、収集したデータから学習を繰り返し、自動的に更新されていく事で、クルマを購入後も休むこと無くスマートに、新しいクルマになっていく事が約束されています。
なお車両センサーは、常に目に見えない安全の盾としてあなたを見守り続けます。疲れて休んだり、気が散ったりしません。搭載されているライダーは昼夜を問わず、一般道でも、高速道路でも目の前の道路を察知し、数百メートル先の小さな物体の情報を解析。回避するための手段と時間をドライバーへ提供します。つまりEX90は単なる新型の自動車ではなく、車輪付きの高度なコンピューターでもあるのです。
そのボルボEX90の車室内には、Googleのソフトウエアが組み込まれた14.5インチのセンタースクリーンがあり、これがインフォテインメントシステムの入り口となっています。
25個のスピーカーを搭載する高品質のBowers&Wilkinsオーディオシステムによって、車内全体に臨場感溢れるサウンドを提供することができ、更に必要なアプリをインストールして直感的なナビゲーションやエンターテインメントを楽しむことが簡単に出来るようになりました。
駆動装置はツインモーターの全輪駆動バージョンの場合、111kWhのバッテリーと2つの永久磁石電気モーターを組み合わせで、380kW ( 517hp )の出力と910Nmのトルクを生み出します。
また車載バッテリーを自宅のエネルギー供給源として使用出来るようになっており、これが、ボルボEX90が双方向充電に必要なハードウェアをすべて搭載した初めてのクルマだと言われている所以です。未来社会に於けるクリーン電力のメリットを最大限に享受できるエコシステムへの入り口となるクルマなのです」と説明した。