浙江吉利控股集団(ジーリーホールディングス)に属するボルボ・カーズ傘下のポールスターは8月14日(スウェーデン、ヨーテボリ発)、自社ブランドのプレミアムBEV「ポールスター3」の生産を米国サウスカロライナ州で開始した。この結果ポールスター3は、米中の2大陸に跨がり生産される初のポールスターとなる。( 坂上 賢治 )
なお中国に於けるポールスター3生産は成都市に於いて始動。これに対して米国では、ジョー・バイデン大統領がEVなど387品目に、301条関税の関税率を最大100%に引き上げる見直し案を米国通商代表部(USTR)へ指示。
現在、8月中旬以降の適用開始に向けて調整中の段階にある。しかし「ポールスター3」の米国生産が軌道に乗れば、ポールスターはこれら関税率引き上げの影響を低減できる。当初、ポールスター側では、サウスカロライナ工場に1億1,800万ドルの追加投資を行い、早期の米国内製造を視野に据えていたが、ソフトウエア開発などが遅れた影響で生産開始が2024年第1四半期になる見込みとしていた。
この2大陸に跨がる車両生産体制についてポールスターのトーマス・インゲンラス最高経営責任者(CEO)は、「米国国内でポールスター3を製造することは、当社にとっては企業成長を視野に据えた重要なステップとなります。
現在、当社は米国のお客様に米国製の電動SUVを提供しており、今後はサウスカロライナ州で生産されたポールスター3をヨーロッパに輸出することで、より広範囲な当社事業を強化することができます。
またポールスター3は、スカンジナビアのデザイン、最先端のテクノロジー、優れたドライビング ダイナミクスを組み合わせた高性能SUVとして、世界中の自動車メディアから素晴らしい評価を受けており、お客様の関心も高まっています」と述べた。
なお現段階で、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の世界27の市場でオンライン販売を行う同社は、更に来たる2025年半ばから、韓国内でSUVクーペの「ポールスター4」の生産を開始する予定だ。
加えて今後、電動4ドアGTの「ポールスター5」、電動ロードスターの「ポールスター6」の投入も計画しているとしており、製造拠点の柔軟化・多様化・に向けて、多角的な事業拡張措置を講じている。