ボルボ・カーズは9月4日、新たな旗艦モデルであり、ピュアBEVのEX90の米国・欧州に於けるリリース準備を整えつつある。またその他の地域に向けても、第4四半期から翌年の第1四半期までの間に出荷拡大を図っていく予定という。
同社の最高経営責任者を務めるジム・ローワン氏は、EX90で米国を横断するロードトリップに参加。「この数週間、EX90の性能を徹底的にテストしてきました。その旅は、サウスカロライナ州チャールストン郊外の当社工場からカリフォルニア州に至るものでした。
今回の旅で、EX90は私たちがこれまでに作った中で最高の車だと自信を持って言えます。様々な運転条件と路面状況で、米国3州を950キロ走行しましたが、その間の印象は本当に良い思い出しかありません。
充電、ハンドリング、乗り心地、車内の静けさ、素晴らしいサウンドシステム、信頼性、テクノロジー、UIの感触。私はこれまでこのようなボルボ車を運転したことがありません。EX90はボルボ・カーズにとって新しい時代の始まりであり、それが今から始まるのです。
しかもEX90は、当社の最新鋭のコアシステムを搭載した最初のボルボ車として、我々ににとってもパラダイムシフトを象徴するものでもあります。それゆえ私たちの言葉を信じるだけでは、真のEX90の実力を知るには決して充分ではありません。
そこで米国ロサンゼルスの南東でグローバル メディア テスト ドライブを開催し、世界中の何百人ものジャーナリストにEX90のあらゆる品質を体験してもらっています」と述べた。
そんなEX90に搭載したAIコンピューターは、NVIDIA DRIVE®プラットフォーム上に構築されています。これにQualcomm Technologies, Inc.のSnapdragon®コックピット プラットフォーム。更に当社のエンジニアが自社開発したソフトウェアがシームレスに連携。安全性、インフォテインメント、バッテリー管理など、車内の主要機能の全てを司る。その結果、応答性が向上、より便利な車内体験が実現しているとした。
また安全面では、Googleのソフトウエアも内蔵されたEX90には、レーダー、カメラ、LiDAR など様々なセンサーを搭載。センサーからのデータ収集と常時接続の 5G接続、定期的な無線ソフトウェア アップデートを組み合わせることで、車載機能を継続的に改善させつつ、時間の経過と共にその性能を拡張させることができるいう。
また最新のユーザー エクスペリエンスも、世界中のボルボのステアリングを握るドライバーへ無償提供される。それはピクセル密度 21パーセント増加させ、鮮明度を高めた大型11.2インチの独立型中央スクリーンにも反映される。
その結果、画面上のコンテンツ表示も大きく改善される。マップ、メディア、電話など、最も一般的なアプリとコントロールをホーム画面に表示。これにより最も頻繁に使用する機能にアクセスするために画面をタップする回数が少なくなる。
例えばナビゲーションの指示に従っていて音楽を変更したい場合、メディア機能にアクセスするためにGoogleマップを離れる必要はなくなる。更にコンテキストバーは、状況に応じて表示内容が変わり、最近使用したアプリが表示される。また低速で運転している場合は、外側のカメラのアイコンが表示されるので、狭い場所での運転に役立つ。
ちなみにこの新世代のユーザー エクスペリエンスは、様々な画面形状やサイズに合わせて調整・拡張できるようになる。従って新型 XC90、EX90、または3年前の XC40のいずれを運転していても、最新のボルボ カーズ インフォテインメントエクスペリエンスを提供でき、多くのドライバーが運転上で本当に重要なこと、つまり前方の道路に集中し易くなるとしている。
なおEX90の生産は、米国サウスカロライナ州チャールストン郊外の工場で今年初めに開始された。同工場は年間最大15万台の生産能力を有する。
近年、同工場の設備には大規模な投資を実施。ボディ ショップと塗装工場を改装・拡張した。この工場には現在、最先端のバッテリー パック生産ラインも備わったことで、米国生産施設は、新しい時代の幕開けに十分に対応できる状態にあると結んでいる。