ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン)は6月21日(米国時間20日)、米国サウスカロライナ州チャールストンに米国で最初の製造工場を開設した。
これにより、ボルボ・カーズはグローバルな自動車メーカーとして、世界の市場経済下で最も強力な3つの主要販売地域すべてに、自前の工場を持つことになった。( 坂上 賢治 )
これは米国に新設した生産施設が、ボルボ・カーズの「販売する場所で製造する」というグローバル戦略に従ったものであると同社では云い、米国内では、ここサウスカロライナ州に同販売地域初の拠点が設立されることになったのである。
ちなみにここで一旦、過去を翻(ひるがえ)ってみると、実は米国ではこれまで自動車製造の1大拠点と言えば、東はカナダに隣接、南北をエリー湖とヒューロン湖に挟まれた中西部のミシガン州一帯が優先的に選ばれてきた。
この理由は、同地域一帯に存在していた自動車産業に関わる熟練労働者を当て込んだものであったのだが、一方で、同エリアは、先の通り過去にビックスリーが中西部に集中して製造拠点を構えていたことから、強い労組が息づく地域でもあった。
そうしたなかボルボが拠点建設に対して約5億ドルもの資金を投入して、新たに米国中西部ではなく、ここ米国・南東部にあたるサウスカロライナ州に製造拠点を据えたのには、幾つかの理由がある。