加えて充電拠点に関してはフォルクスワーゲンも参画して設立した「Ionity GmbH 」 (イオニティ/2016年秋にフォルクスワーゲングループを筆頭に、BMW、 ダイムラー、 フォード・モーターが参画、翌2017に石油大手のロイヤル・ダッチ・シェル。
そして今年2018年には、ボルボ、ジャガー、PSA<プジョー、シトロエン、DS、オペル>、テスラ等と参画交渉を進める)が、欧州全域で急速充電機能を持つステーションを順次整備していく予定で、その400拠点に上る殆どの拠点は来る2020年までにヨーロッパ全域で建設されます。
ちなみにそれぞれのステーションには、個々に最大125kWの充電が可能な2〜12基の充電設備が設けられており、しかもそれは既に欧州19カ国で拡大を続けています。しかもこのイオニティでの30分間の充電でバッテリー容量の80%を充電することができます。
これは電気自動車の搭載電池の容量、ならびにEVのドライバーがどのような運転を行うかで異なるものの、少なくとも150〜260kmの走行距離に相当します。
フォルクスワーゲンは今後も、これらの計画の実行と、目標の達成を高いイニシアチブを保ちつつ精力的に追求し続けて行きます。したがって当社のEVユーザーは、次の充電スタンドに到達できるかどうかについて心配する必要は全くありません。
我々は常に様々なシナリオを想定して日常的にEVを使用頂けるようにインフラに関しても準備を進めております。ゆえに将来、EVがニッチな存在になるなどと、ご心配頂くことはありません。我々は、将来のEV技術を真のマス技術に変革していきます」と畳み掛けた。
加えて先に述べた通りだが、このシャシーベースのモジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)は、同社製ID.ファミリー全モデルだけでなく、グループ傘下の他のブランドバッチを掲げる車両にも相次いで採用されていく。
具体的な採用車についてフォルクスワーゲン車以外でMEBを採用するブランドは、現計画初期の段階で「アウディ」、「セアト」、「シュコダ」、「トレイトン(フォルクスワーゲン商用車ブランド)」等の名前が挙げられた。
このようなプラットフォームの拡大戦略について、フォルクスワーゲン ブランド モビリティ担当取締役のトーマス・ウルブリッヒ氏は「2017年にフォルクスワーゲンのブランドは630万台のクルマを生産しました。これはグループが生産した同年の1100万台の中で最大のシェアを誇っています。
一方で来たるべき近未来で多くの人々は、クリーンなEVで移動を愉しむことになるでしょう。特に都市では『移動すること』のほとんどが電力によって実行されるということです。
そうしたなか今回発表したID.シャシーは、当社のグループ全体で述べ1000万台以上をカバーする広範囲な電気自動車ラインナップの基盤となります。これはまさしく欧州におけるEV時代の幕開けを告げるものであり、世界の自動車業界に対して、新たな扉を開く役割を果たすことになるでしょう」と結んでいる。