ヴァレオグループは2月4日、2050年までに自社のすべての事業活動と世界中のサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを達成し、ヨーロッパでは100%カーボンニュートラルを達成することにコミットし、2030年までに目標の45%を実現する予定であると発表した。
ヴァレオまた、SBT(Science Based Targets)イニシアチブによる厳格な枠組みに基づいて、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指す企業が結集した「Business Ambition for 1.5°C」キャンペーンに署名している。
会長兼最高経営責任者であるジャック・アシェンブロワは次のように述べている。「地球温暖化と戦うために、自動車業界全体が多額の投資を行っています。 ヴァレオでは、2010年からCO2排出量の削減を戦略の中心に掲げており、2021年にはCO2排出量の削減に貢献する製品による売上高が20倍の約100億ユーロに増加しました。2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて、2030年までにこの目標のほぼ半分を実現することを目指しています。」
カーボンニュートラル達成に向けて重要かつ直近のマイルストーンである2030年までに、ヴァレオは以下の削減に取り組んでいる。
– 営業活動に関連するCO2排出量を110万トンから30万トンへと75%削減*(スコープ1と2)
– サプライチェーンに関連するCO2排出量を95万トンから81万トンへと15%削減*(スコープ3 上流)
– 製品の最終用途に関連するCO2排出量は13,900万トンから3,310万トンへと15%削減*(スコープ3下流)。
この削減は、ヴァレオの電動化技術によって回避できる排出量を考慮に入れると、CO2排出量は3900万トンから1950万トンに減少し、削減率は50%に上がると予想される。
* SBTi (Science Based Targets initiative) の計算方式による。SBTiは、世界の気温上昇を2°Cに抑制するという目的に沿って、CO2排出量を削減するための明確に定義されたパスを企業に提供している。
2030年までに、ヴァレオは自社の事業活動に関連する排出量(スコープ1および2)を削減するために4億ユーロ以上の投資を予定。これらの投資は、グループの事業所を改修して、現在最も炭素集約的な100施設を2030年までに高エネルギー効率の事業所にするために使用される。具体的には、環境に優しい建物への改修、LED照明の普及、 熱回収システムの統合などが行われる。
ヴァレオグループは、エネルギー消費に占める低炭素エネルギーの割合を、2019年の5.5%から2025年までに50%に増やし、2030年までに80%に引き上げるとしている。すでに多くの事業所が再生可能な代替エネルギーを試験的に導入しており、チェンナイの事業所(インド)では消費量の90%を風力発電でまかない、サナンド(インド)とバッドロダック(ドイツ)の事業所は、自社に太陽光発電システムを設け消費エネルギーのそれぞれ30%と20%を発電している。
また、サプライヤーにも同様のCO2排出削減目標を設定し、低排出材料の使用を増やしていくという。
同時に、低炭素モビリティに貢献する技術のポートフォリオ、特にグループが現在世界をリードしている分野である車両の電動化のためのソリューションを強化していくという。ヴァレオは、この10年間でCO2排出量を削減する技術に100億ユーロ以上を投資している。
2019年、ヴァレオの売上の57%は、CO2排出量の削減に貢献するテクノロジーによって生み出されている。現在、世界中の車両の3分の1に、CO2排出量の削減に貢献するヴァレオの製品が搭載されている。
さらに、持続可能な開発ポリシーでは、水の使用量を46%、エネルギー消費を29%、包装材の使用を32%削減*する、などの高い目標を追求。また2021年から、1,500人を超える上級管理職の変動報酬を決定する際に、CO2排出削減と持続可能な開発の基準を考慮に入れるとしている。
* 2008年から2019年の間、売上高に占める消費量。
2021年1月25日、Corporate Knightsは、世界で最も持続可能な100社の上場企業を発表し、ヴァレオを自動車セクターで最も持続可能な企業としてランク付けした。ヴァレオが持続可能な開発(環境、社会、ガバナンス)に包括的に取り組んでいることは広く認められている。
2020年には、MSCI(AAA)、CDP(A)、Sustainalytics、SAM(76/100)などの格付け機関から自動車サプライヤーとして最高の評価を受けた。さらに、ダウジョーンズサステナビリティ(DJSI)ワールドインデックスでは、5年連続で業界最高位を維持している。