シリコンカーバイト(SiC)パワー半導体大手メーカーの UnitedSiC(ユナイテッド SiC、本社: 米ニュージャージー州プリンストン、以下: UnitedSiC)は、12月2日、自社の高度な第 4 世代(Gen 4) SiC FET 技術を基盤にした、4 種類の新製品を発表した。
これらの Gen 4 デバイスは業界で唯一の 750V SiC FET であり、傑出した性能指数(FoM)を誇るとしている。自動車、産業機器用充電器、テレコム整流器、データセンターPFC、DC-DC コンバータなどの電力用途に加え、再生可能エネルギーやエネルギー貯蔵などの分野でも、大きな力を発揮することが期待されるとしている。
今回発表された SiC FET には、18 mΩと 60 mΩの 2 つのモデルがあり、比類ない FoM と、単位面積当たりのオン抵抗と内在静電容量の低さが特長。Gen 4 FET は、ハードスイッチング用途で最小の RDS(on) xEOSS(mΩ-μJ)値を示し、オン/オフ切り替え時の損失が低減している。また RDS(on) x Coss(tr)(mΩ-nF)仕様の値が低いことで、ソフトスイッチング用途では導電損失の低減と高周波数化が実現。今回発表した新製品は、競合する既存の SiC MOSFET 製品の性能を常温(25℃)と高温(125℃)のいずれでも上回り、さらに内蔵ダイオードの VF は低く、優れた逆回復性能を備えているため、デッドタイム損失が低減し、効率が向上している。
UnitedSiC の 750V 製品ファミリに追加された新デバイスは、設計上の制約が少ないため、柔軟な導入が可能。VDS 定格が向上した FET として、400/500V のバス電圧用途に有効。ゲート耐圧+/-20V、互換性に優れた 5V スレッショルドのゲート駆動性能により、どのデバイスも 0~+12V のゲート電圧で駆動可能。そのため、既存の SiC MOSFET、Si IGBT、Si MOSFET ゲートドライバーとの併用が可能になっている。
UnitedSiC でエンジニアリング担当バイスプレジデントを務める Anup Bhalla は、次のように述べている。「これらのデバイスは、高い電圧と電力性能により、DC-DC 変換、オンボード充電、力率補正、ソーラーインバーターなど、さまざまな領域にわたってエンジニアのニーズに応えます。当社は今後 9 ヵ月をかけて、コストパフォーマンス、熱効率、設計上の柔軟性を向上させた、さまざまな Gen 4 デバイスを発表する予定です。あらゆる分野で、大量導入に伴う課題を解決し、イノベーションの加速に貢献します」
■UnitedSiC