UDトラックスは12月20日、フルモデルチェンジした新型小型トラック「カゼット (Kazet)」を、同日より全国一斉に販売すると発表した。フルモデルチェンジでは、先進安全・運転支援システムを充実。また、燃費・運転性能も向上させたと云う。
なお、同社小型車のOEM供給元は、同モデルより三菱ふそうトラック・バスからいすゞ自動車に変更されている。
[主な特徴]
1.燃費・環境性能
・9段デュアルクラッチトランスミッション「ISIM(アイシム)」を新設定。ワイドレンジ・クロスレシオ化により、変速時のトルク抜けのないスムーズな加速、燃費・動力性能を両立した。
・ギア段判定ロジックに、平坦路では3速発進、登坂路では2速、1速ギヤを自動選択する「勾配判定」を設定。最適なギア段選択により、ドライバーにストレスを感じさせない走行を実現。
・搭載する4JZ1エンジンには、150PSと175PSの2モデルを用意。自律噴射精度補償技術「i-ART(アイ・アート)」を搭載し、燃料噴射量を常時フィードバック補正・精密制御する。
・2025年度燃費基準に対し、「+15%達成」から「達成」まで、全車で「達成」以上を実現。また、尿素タンクとサプライモジュール一体化した尿素SCRシステムを採用することで、移設を簡素化すると共に軽量化。
2.安全装備
・新たな先進安全装置を搭載し、安全・運転支援機能を拡充。これまでオプション装備だったバックアイカメラ&モニター、電動パーキングブレーキを標準装備としたほか、以下の安全装備のオプション選択を可能とした。
<オプション選択が可能な主な安全装備>
(1)ドライバーステータスモニター(DSM)
インストルメンタルパネルに設置したカメラでドライバーの状態を検知。前方への注意不足を検知すると注意喚起する。中速走行(30㎞/h~)時は、不注意運転につながる、ながら運転(視線を検知)を判断し、注意喚起を。高速走行時(60㎞/h~)時には、漫然運転につながる脇見(顔の向き・位置を検知)や居眠り・眠気(目や瞬きの状態を検知)を判断し、注意喚起を行う。さらに過度な眠気を検知した場合には、エアコンを自動的に作動(強い冷風を噴出)させ、より強く注意喚起する。
(2)ドライバー異常時対応システム(EDSS)
手動作動もしくは自動作動(DSM並びに車線逸脱警報装置((LDWS))により、ドライバー異常を検知)で車内に警報した後、車外でストップランプとハザードランプを点滅、ホーンを鳴らして周囲に報知し、車両を停止させる。
(3)標識認識機能
車両前方にある道路交通標識をカメラで検知し、現在走行中の道路の標識情報をメータに表示(制限速度に加え、追い越し禁止標識も表示)。ドライバーが標識を見落とすなどで意図せず規制から逸脱した場合に、表示および音による警告を行い、安全運転に導く。
(4)標識連動型スピードリミッター
車両前方にある道路交通標識をカメラで認識し、自車速度を制限。
(5)全車速車間クルーズ(FACC)
設定した車間距離を維持するように自動的に加速・減速、停止・発進まで含めて全車速域で制御。ドライバーの疲労軽減を図る。
(6)レーンキープアシスト(LKA)
ダッシュボード上に設置されたステレオカメラで車線を認識し、ステアリングを制御。車線逸脱による事故の抑制に貢献する。また、車線内の中央走行をステアリング制御で支援し、高速走行時の長時間運転による疲労軽減を図る。なお、レーンキープアシストは、ドライバーの漫然運転時に作動する安全機能である車線逸脱抑制機能と、ドライバーの運転操作をサポートする車線維持支援システム・先行車追従操舵アシスト機能により構成されている。
*各装置はドライバーの運転支援機能であるため、各機能の能力(認識・制御能力)には限界がある。各システムは、いずれも道路・天候状況、車両状態等によっては、作動しない場合や十分に性能を発揮できない場合がある。
3.エクステリア
広い室内空間を確保しつつ空力にも優れ燃費向上に貢献するデザインを採用すると共に、キャブ同色のアッパーグリル+ブランドのロゴ配置でUDトラックス製品のラインアップとしての一貫性、小型トラックとしての強さと機敏さを表現。夜間走行時の前方視界を良好に保つ可変配光型LEDヘッドランプを設定、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャーもオプション設定した。
4.インテリア
視認性に優れた7インチの大型センターディスプレイを採用。収納もクラストップの容量とした。