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2019年6月25日【シェアリング】

ウーバー、「Uber Air」の実証実験都市に豪メルボルンを選定

NEXT MOBILITY編集部

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ウーバー(Uber)は、第3回Uber Elevate Summitで、ウーバー・エア(Uber Air)の米国外初の実証実験都市としてオーストラリア・メルボルンを選定したことを発表した。

 

米国のダラス、ロサンゼルスに次ぐ第3の実証実験都市となるメルボルンでは、2020年からテスト飛行が、その後の2023年には実運用が開始される予定。

Uber・ロゴ

ウーバー・エアは、ウーバーのテクノロジーを応用することで、地上の交通渋滞を緩和し、都市間の空の移動を可能にすることを目標に、長期的には、安全かつ、静かな電気自動車で何万人もの人々が同じ距離、同じ価格でウーバーX(Uber X)で移動するのと同様の未来の実現を目指している。

 

 

ウーバーオーストラリア・ニュージーランド、および北アジア地域 モビリティ事業代表のSusan Anderson氏は、このイベントで以下のように話している。

 

「2012年に市場に参入して以来、オーストラリアの人々はウーバーをあたたかく受け入れてくれました。今日では、380万人を超えるオーストラリアの人々が、”AからBへ”の信頼できる移動手段として日々Uberを活用しています。また行政も、今後、ライドシェアが都市部の移動において重要な役割を担うと認識しています。

 

オーストラリア政府は今後を見据え、ライドシェアと将来の移動手段に関するテクノロジーに取り組むことを決定しました。メルボルンは、革新的でテクノロジーに対する理解がある場所であることに加え、また人口動態的要因、地理的要因からも、ウーバー・エアの第3の実証試験都市として最適でした。今後も、ウーバー・エアの実証実験都市として、オーストラリアの他の都市の検討も進めていきます。

 

本取り組みの実現にあたっては、オーストラリア・ビクトリア州からは多大なご協力をいただいています。我々はビクトリア州と連携を図り、米国外で初となるメルボルンでの実証実験を進めていくことを非常に楽しみにしています」。

 

 

 

 

交通渋滞は、世界中の都市にとって大きな懸案事項となっているが、オーストラリアでは交通渋滞によって、年間16.5億ドルのコストがかかり、さらにそれは2030年には30億ドルにまで膨れ上がるとも言われている。

 

 

 

 

これについて、ウーバー・エレベイト(Uber Elevate)の責任者であるEric Allison氏は、次のように話している。

 

「大都市が成長するにつれ、個人が車を所有することは持続的なものではなくなってきています。ウーバー・エアは渋滞緩和の実現に大きな可能性を秘めており、例えば通常車で25分程度、ピークタイムになると約1時間かかるCBD(Central Business District)からメルボルン空港までの移動(約19キロ)を、約10分で実現可能です。

 

ウーバーのテクノロジーは都市間の移動を変革します。我々は、自転車からライドシェアに至るまで、個人が車を所有する必要がない社会の実現を常に模索しています。ウーバー・エアの実現により、今後数年で人々がスマートフォンのボタン操作一つでフライトできる社会を目指していきます」。

 

 

 

 

また、第3回Elevate Summitに登壇したオーストラリア・ビクトリア州のHon Robin Scott氏は、次のように話している。

 

「メルボルンがウーバー・エア初の米国外の実証実験都市として選ばれたことを大変光栄に思っています。ビクトリア州はダイナミックで革新的なテクノロジーを推進する州で、経済面からもトランスフォーマティブ・テクノロジー領域においてアジアパシフィック地区を牽引する存在だと考えています」。

 

 

ウーバーはまた、オーストラリアの大手企業Macquarie、Telsraおよび、オーストラリア・ニュージーランドの巨大ブランドWestfieldのオーナーおよび運営会社のScentre Groupとのパートナーシップを、そして、メルボルン空港をはじめとした既存のパートナーシップ企業との連携を進めていくことを発表した。

 

 

[パートナー企業のコメント]

 

・メルボルン空港 パーキング&グラウンドアクセス チーフ Lorie Argus氏

 

「毎年1,000万人もの旅行客が訪れるメルボルンのゲートウェイとして、将来のウーバー・エアに果てしない可能性を感じています。今後も議論を重ね、行政や関係各所および地域のコミュニティと共にウーバー・エアの実現化に向けて取り組んでいくことを非常に楽しみにしています」。

 

・マッコーリー銀行 エネルギーテクノロジー部門 グローバル部長 Greg Callman氏

 

「マッコーリー銀行は、ただ飛行するだけでなく、今後新たな市場を創り出し、インフラのモデルとなるであろうウーバー・エレベイトとパートナーになれたことを大変嬉しく思っております。革新的なウーバーとそのパートナー企業によって加速されてきた本プロジェクトの実現化に向けて、我々はインフラ、チャージ、エネルギーに関わる知識で貢献できたらと考えています」。

 

・Telstra CEO Andrew Penn氏

 

「Telstraは、メルボルンが世界的に注目される実証実験都市となれたことに大変喜びを感じています。我々の強みは5Gにおける業界の先駆者であることです。また、我々が取り組んでいるドローンやそれに付随する基準が、革新的な技術や人々が夢見る未来を具現化するサービスを提供してきたウーバーにとって、必ず貢献できると信じています。

 

これからの1年、ウーバーと密に連携していくことで、ネットワークにおけるインフラや通信環境の改善など都市部でのエアスペースモビリティの実現に必要なものを洗い出せるはずです。我々のネットワークとテクノロジーが、わくわくする未来を実現する一員であることを示したいと考えています」。

 

・Scentre Group CSO Cynthia Whelan氏

 

「Scentreグル―プが、インフラにおけるパートナーやその他の企業、官公庁や関係各所と共に、我々の顧客にとって将来のモビリティの選択肢を開拓していくウーバー・エレベイトのパートナーに選ばれたことは、大きな喜びです。この発表によって、Westfieldの戦略的ロケーションを示すことができました。それは、Westfieldがお客様やコミュニティ、交通の中心地にとって身近な存在であり、地域にとって欠かせないインフラであるということです」。

 

 

最後に、前述のSusan氏は、「行政や民間との連携は、オーストラリアにおけるウーバーの素晴らしい物語の一部になります。これからもコミュニティや行政と連携し、安全で、静かで、環境に配慮したマルチモーダルな移動手段の一つとしてのポジションを確立していきます」と、締めくくっている。

 

 

■(Youtube)Day1 Uber Elevate Summit 2019:https://www.youtube.com/watch?v=YMBEev4MmU4
■(Youtube)Day2 Uber Elevate Summit 2019:https://www.youtube.com/watch?v=E0Ub9Z8ifiQ

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。