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2017年12月27日【オピニオン】

米調査組織KPMG、自動運転車の普及で13年後のセダン車販売は激減すると示唆

坂上 賢治

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より詳細には米国の自動車マーケットは、これまでのような国や地域単位から、150を超える「アイランド・オブ・オートノミー」(島のように散在する自律型モビリティ社会)へと変化するとしている。

これは大都市圏で都市ごとに異なる消費者の移動ニーズに対応し、そこでの移動ニーズの多くは、自律型モビリティサービスによって満たされるとした。

KPMG米国で同調査を担った自動車セクターリーダーのゲイリー・シルバーグ(Gary Silberg)氏は、「近い将来、破壊的革新をもたらす新たな交通手段が登場します。

それは完全自動運転車とモビリティサービスの組み合わせで、これによって全世界で1兆ドル規模の新たな市場が出現します。

ただし、この新しい自動車の利用環境は、何処でも直ちに実現する訳ではありません。今後、我々が『アイランド・オブ・オートノミー』と名付けた大都市圏で順次実現されていくでしょう。

そして、このアイランドの地域性毎に異なる消費者ニーズに合った車種が求められるようになります。その結果、その地域の自家用車の車種構成、特にセダンは大きな影響を受けることになるでしょう」と語った。

 

 

米国内には人口30万人以上の異なる地域社会が169存在する

実は米国では国勢調査局の用語で、「合同統計圏(CSA:Combined Statistical Area)」と呼ばれる、人口30万人以上の地域社会が169地域ある。

このCSAは、周辺地域と経済的・社会的に結び付いた隣接する大都市と小都市から構成された広域都市圏(消費経済圏)を指し、個々のCSAは、アイランド・オブ・オートノミーの人口統計的特性と合致している。

KPMGの米国法人では、自社の地理情報システム(GIS:Geographic Information System)を使用して、シカゴ、アトランタ、ロサンゼルス-サンディエゴの3つの広域都市圏で匿名化された携帯電話のモバイルビッグデータを分析。

これによって個人の移動に関する場所(緯度・経度)と移動時間を割り出し、CSAごとの特徴の解析を行った。

その結果、移動距離、平均移動時間、推定乗車人数に関して、それぞれのアイランドごとに異なる特徴が存在することが明らかになった。

自動車メーカーは、アイランドごとに異なる消費者ニーズに合った車種を特定するために、「環境」、「移動時間」、「移動距離」、「乗車人数」という4つの要素に加え、速度(時間と距離から算出)の他、「出発地/目的地」、「移動目的」などの複雑なデータ分析が求めらるようになる。

 

 

複数の自動車メーカーが工場を閉鎖し、セダン市場から撤退する

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。