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2020年3月26日【自動車・販売】

トラクタブル、自動車損傷画像からの新損害査定AIを発表

坂上 賢治

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自動車事故・災害時の損害査定に特化する英国のAIスタートアップTractable(トラクタブル)は3月26日、自動車の損傷画像から損害査定業務を自動化する損害保険会社向けの新AIソリューションを発表した。(坂上 賢治)

 

トラクタブルは英ロンドンのみならず、米ニューヨークに加え東京にも拠点を構え、先の2月13日には東京海上日動と連携。視覚査定AIを利用した深層学習機能を使って、保険金の支払いに繋げていく独自技術で日本でも話題を集めた。今回の同社の新ソリューションも、損害保険会社内の専門家が実施する査定業務の一部を自動化出来る能力を持つ。

 

 

具体的には、自動車の損傷画像を元に車両のどの部位が、どの程度損傷しているか判定し、修理方法や概算修理金額等を手早く算定する仕組みだ。これにより保険加入者は、自動車事故時に保険会社に連絡している最中にスマートフォンで損傷画像を送信するだけで、数分以内に全損などの判定結果が手に取るように判る。

 

なおこの新ソリューションは、日本国内を含めた世界規模で展開していく予定で、既に英国の損害保険会社Ageas社では2019年にトライアル実証を終えて事業フェーズとして実装されている最中にある。

 

また将来的には、損害保険会社だけを対象にするのではなく、自動車修理工場やディーラー向けに画像を元に、多様な見積作成業務の一部を自動化させていくソリューションとして拡張展開していく予定だとしている。

 

この仕組みは、画像認識機能に何百万枚もの自動車の損傷画像と事例分析から学ぶディープラーニング技術を活用しているところにある。これまでフランス最大のCovéa社、ポーランド第2位のTalanx-Warta社など世界中の大手損害保険会社と損害額累計1000億円以上の損害査定業務を査定してきた。

 

 

この新ソリューションについて英損保Ageas社のロビン・チャランド損害サポート担当役員は「Tractableの最先端のAI技術により、これまでの損害査定業務を見直すことで、事故時の保険加入者の顧客体験のみならず、弊社の損害査定業務に劇的な変化をもたらすことが出来ると実感しました」と利用による成果の多様性について話している。

 

一方、トラクタブル社のエイドリアン・コーエン共同創業者は「我々の新たなソリューションは、保険業界にとってブレークスルーになると考えています。AIにより損害査定業務の一部を自動化することで、損害保険会社に対しては生産性改善を、保険加入者に対しては新たな顧客体験を提供します。引き続き、最先端のAI技術により、事故で困っている人を支援したいと考えております」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。