特定非営利活動法人(NPO)「日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)」は11月17日、「第30回(2021年次)RJCカーオブザイヤー」の結果を同法人の公式Webサイト上で公表した。その内容を見るとトヨタ自動車のヤリス/ヤリス クロスがRJCカーオブザイヤー(国産車)を受賞している。(坂上 賢治)
栄冠獲得にあたっての流れは、トヨタのヤリス/ヤリスクロスとスズキのハスラーが接戦となったのだが、最終的にはヤリスが6点差で栄えあるカーオブザイヤーを獲得。3位に日産のキックス、4位にホンダの万能コンパクトカー・フィット、5位にスバルのレヴォーグ、6位にロッキー(ダイハツ)/ライズ(トヨタ)が収まった。
ヤリスは昨年まで永らく〝ヴィッツ〟として日本の自動車ユーザーに親しまれてきたが、今年2月に刷新されて新型ヤリスとして装いも新たに新登場。
充実した運転支援技術が盛り込まれたことやこれまでトヨタ製コンパクトカーの範疇から頭ひとつ抜きん出たステアリングフィールなどの確かな操作性、低燃費性能などが評価されての受賞となった。
なお同じ年の8月31日には、同一プラットフォームを持つ派生車種として、昨今流行のSUVスタイルのヤリスクロスを追加投入。その結果、この秋までの車名別新車販売台数ランキングで9、10月の2か月連続で総合首位の記録を積み上げるなど、コロナ禍ので経済環境が低迷する中で販売面でも健闘した。
ちなみにRJCカーオブザイヤーは今年で記念すべき節目の30回目を迎えている。しかし実は、トヨタ車のRJCカーオブザイヤーの受賞は第7回のプリウス以来なんと23年振りのこと。さらに過去のRJCの受賞歴をつぶさに遡ってみると第3回にクラウンロイヤル/マジェスタがイヤーカーとしての栄冠を獲得していることが判る。
逆に言うとトヨタ自動車の受賞歴は、通算30回分の受賞車達が連なる中で僅か3度のみという実績となっている。
またRJCインポート・カーオブザイヤーは、他のイヤーカーイベントでも前評判が高かったBMW2シリーズグランクーペが順当に選ばれ、最優秀の技術賞典であるRJCテクノロジーオブザイヤーには日産自動車の「e-POWER」が選ばれた。
主な獲得点数とランキング結果は以下の通りとなる。なおRJCカーオブザイヤー(国産車)のランキング獲得の流れは記事冒頭に記述した通りだ。
RJCカーオブザイヤー(国産車)
1位(152点):ヤリス/ヤリス クロス(トヨタ自動車)
2位(146点):ハスラー(スズキ)
3位(117点):キックス(日産自動車)
4位(111点):フィット(本田技研工業)
5位( 74点):レヴォーグ(SUBARU)
6位( 72点):ロッキー/ライズ(ダイハツ工業/トヨタ自動車)
7位( 67点):ルークス/eKスペース(日産自動車/三菱自動車工業)
8位( 53点):MX-30(マツダ)
9位( 51点):タフト(ダイハツ工業)
10位(49点):Honda e(本田技研工業)
11位(16点):ハリアー(トヨタ自動車)
12位( 9点):グランエース(トヨタ自動車)
13位( 7点):アコード(本田技研工業)
RJCインポート・カーオブザイヤー
RJCインポート・カーオブザイヤーは、BMW2シリーズ グランクーペが獲得。2位にアウディA1スポーツバック、3位にアウディe-トロン スポーツバックが入った。
1位(179点):BMW「2シリーズ グランクーペ」(ビー・エム・ダブリュー)
2位( 97点):アウディ「A1スポーツバック」(アウディジャパン)
3位( 94点):アウディ「e-トロン スポーツバック」(アウディジャパン)
4位( 90点):ボルボ「S60」(ボルボ・カー・ジャパン)
5位( 78点):(同点5位)VW「Tクロス」(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
5位( 78点):(同点5位)ルノー「ルーテシア」(ルノージャパン)
7位( 77点):プジョー「208/e-208」(グループPSAジャパン)
8位( 56点):VW「Tロック」(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
9位( 46点):BMW「X6」(ビー・エム・ダブリュー)
10位(41点):ランドローバー「ディフェンダー」(ジャガー・ランドローバー・ジャパン)
11位(38点):プジョー「SUV 2008/SUV e-2008」(グループPSAジャパン)
12位(20点):アウディ「Q3/Q3 スポーツバック」(アウディジャパン)
13位( 9点):キャデラック「XT6」(ゼネラルモーターズ・ジャパン)
RJCテクノロジーオブザイヤー(技術)
RJCテクノロジーオブザイヤー(技術)では、日産「キックス」に搭載された「e-POWER」が獲得。2位にスバルレヴォーグの新世代アイサイト/アイサイトX、3位にマツダCX-30/MAZDA3のSKYACTIV X 2.0エンジンが入った。
1位(140点):e-POWER(日産 キックス)
2位(132点):新世代アイサイト/アイサイトX(スバル レヴォーグ)
3位( 99点):SKYACTIV X 2.0 エンジン(マツダ CX-30/MAZDA 3)
4位( 87点):世界初極細ピラーによる爽快視界技術(ホンダ フィット)
5位( 78点):新開発 CVT(スズキ ハスラー)
6位( 76点):TNGA プラットフォーム(GA-B)(トヨタ ヤリス/ヤリスクロス)
7位( 60点):(同点7位)ワイドビジョンインストルメントパネル(ホンダ Honda e)
7位( 60点):(同点7位)高度駐車支援システム(トヨタ ヤリス/ヤリスクロス)
9位( 48点):新開発1.8L 直噴ターボエンジン(スバル レヴォーグ)
10位(47点):e-SKYACTIV G エンジン(マツダ MX-30)
11位(34点):35TFSI エンジン(アウディ A1スポーツバック)
12位(32点):CMF-B プラットフォーム(ルノー ルーテシア)
13位(31点):高精彩映像を実現したインテリジェントルームミラー(日産 キックス)