中国ユーザーに寄り添うBEVの新型「bZ3C」と「bZ3X」を世界初公開
トヨタ自動車は4月25日、中国のニーズに寄り添った製品とサービスを介して新価値を創造するべく北京国際モーターショー( プレスデー : 4月25日~26日、トレードデー : 4月27日~28日、一般公開日 : 4月29日~5月4日 )に出展した。( 坂上 賢治 )
当地では知能化、電動化、多様化を軸に、モビリティカンパニーへの変革に向けた中国での取り組みを紹介。バッテリーEV(BEV)の新型車「bZ3C」と「bZ3X」を世界初公開した。
トヨタ副社長の中嶋裕樹Chief Technology Officerは、同日に行われたプレスカンファレンスで登壇し、「中国のお客様が笑顔になるBEVとは何か。このテーマを中国のパートナーとともに探求し、送り出すのがbZ3CとbZ3Xです」と呼び掛け、新型車を紹介した。
今回の2モデルは、昨年の上海国際モーターショーでコンセプトカーとして公開。広東省深圳市に本拠を置く中国のテクノロジー・コングロマリット「騰訊控股(テンセント)」と連携した装備を搭載するなど量産化に向けてアップグレードを行ったモデルとして、今後1年以内に中国に於いて発売を開始する。
「bZ3C」は〝Reboot〟をコンセプトに、トヨタと、BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY カンパニー有限会社、一汽トヨタ自動車有限会社、トヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社(以下、IEM by TOYOTA)が共同開発。アクティブなスタイリングを採用したクロスオーバーBEV。Z世代向けのパーソナルな空間を楽しむための機能を追求した。
対して「bZ3X」は、トヨタと広州汽車集団有限公司、広汽トヨタ自動車有限会社、IEM by TOYOTAが共同開発し、心地が良い動く家を意味する「COZY HOME」をコンセプトに、大空間で快適な居住性を実現したファミリー向けのSUVタイプのBEVとなっている。
どちらのモデルも、最新の運転支援システム、スマートコックピットを搭載し、安全で快適なドライブに加え、新しい体験価値を提供。こうした領域にテンセントが〝人工知能(AI)〟〝クラウド〟〝ビッグデータ〟領域でで協力する。
国際エネルギー機関(IEA)によると、当地では2023年のEV販売台数が前年比2割増えの668万台。それが30年に新車の3分の2が電動車に。更に5年後の35年には85%に達するとされており、トヨタは、当地の顧客に受け入れられる専用車を中国企業と連携しつつ提案していく構えだ。
なお最後に、今発表の2車で外観上に於いて気になる共通装備は、ルーフ前端部に積まれているLiDARにある。ちなみに日本国内のトヨタ製市販車で車体前端部にLiDARを搭載しているのはレベル2+の高度運転支援技術「Advanced Drive( アドバンスト・ドライブ )」を備えた「MIRAI」と「レクサスLS」のみ。従って今回の2車種は、中国市場で何らかのADAS機能を活かす先兵車両となりそうだ。