豊田通商は2月24日、Toyota Tsusho Thai Holdings Co., Ltd.(以下、TTTH)を通じて、タイで工業団地向けに通勤用バスサービス事業を展開するATP30 Public Company Limited(以下、ATP30)が実施する第三者割当増資を引き受け、同社に64,350,000THB(出資比率:9.526%)出資することを決定したと発表した。
背景
東南アジアで有数の産業国であるタイでは、日系企業を中心とした製造業が生産拠点を構えており、インフラが整備されている工業団地に、多くの企業が入居している。一般的に、入居している企業は、従業員向けに通勤バスを手配しているが、1社単位での運用では乗客数が少なく、工場休閑期や残業対応時には、空車率が高いまま配車を行わざるを得ないなど、非効率な運用が課題となっている。また、社会的な課題として交通渋滞とCO2排出量の増加が深刻化している。
タイ通勤バス市場のスマートモビリティ化に向けて
製造業における海外でのものづくり環境をサポートする豊田通商グループのTT Techno-Park(以下、TTTP)は、これまでタイ東部にある工業団地向けに通勤用バスサービスを提供してきた。また、豊田通商は、世界のMaaSやCASE領域の事業化の流れを受けて、バス配車計画の自動最適化技術や、乗り合いや座席予約を可能にする、シェアリング・オンデマンド型の通勤バス技術など、モビリティ関連におけるデジタル技術への投資を積極的に進めている。
TTTHは、今回のATP30への出資により、TTTPと共同で、工業団地に入居する企業に対して、豊田通商グループが保有するデジタル技術を活用した通勤用バスサービスのソリューションを提供する。バス配車計画を自動最適化し、乗車率を向上させることで、コスト削減を図り、通勤バス市場のスマートモビリティ化を推進し、シェア拡大や工業団地の価値向上を目指す。また、バス運行の効率化により、CO2削減および渋滞緩和にも寄与するとしている。
■ATP30 Public Company Limited 概要
– 会社名:ATP30 Public Company Limited
– 所在地:700/199 Moo 1, T.Bankhao, A.Pa Chonburi, 20160 Thailand
– 設立:2005年
– 株主:Panichewa Group, Techakul Group, Kromadit Group, etc.
– 代表者:Mr. Piya Techakul
– 事業内容:通勤用バスサービス事業
■TT Techno-Park概要
– 会社名:TT Techno-Park Co., Ltd.
– 所在地:
Hemaraj Eastern Seaboard Industrial Estate 911/88 Moo5
T.Khao Khan Song A.Sriracha Chonburi,Thailand
– 設立:2002年
– 代表者:龍田 貴行
– 事業内容:
総務・会計アウトソーシングサービス事業
(進出支援、通勤バス、経理記帳代行・税務、給与計算、マネジメント・サポート)