豊田通商は12月7日、インドネシア共和国西ジャワ州西部のブカシ県に於いて、同国運輸省が官民連携方式で進める自動車認証試験場の設計・建設・保守事業に、海外交通・都市開発事業支援機構(以下、JOIN)、現地パートナー企業と共に参画すると発表した。
この自動車認証試験場は、2020年に制定された自動車分野に於けるASEAN(東南アジア諸国連合)域内相互承認協定(以下:ASEAN MRA)に基づき統一される国連基準(以下:UNR)に対応するASEAN初の試験場になると云う。
インドネシアは、トヨタ自動車などの日系自動車メーカーが多数進出する、自動車産業にとってアジアの重要な生産・販売拠点として、昨年12月には、豊田通商が参画するパティンバン新国際港自動車ターミナルの運営も開始。さらなる輸出競争力向上が期待されている。
現在、インドネシア製の自動車をASEAN域内に輸出する場合には、輸出国でも再度型式認証を取得し、販売する必要があるが、ASEAN MRAに基づくUNR対応の試験場が整備されれば、インドネシアで認証試験を受けた自動車のASEAN域内での流動性・柔軟性が高まることが期待できると云う。
今回、豊田通商は、JOINや現地パートナーと新たに事業会社「Indonesia International Automotive Proving Ground(インドネシア・インターナショナル・オートモーティブ・プルービング・グランド)」を設立し、インドネシア運輸省からの委託を受けて、西ジャワ州ブカシ県で自動車認証試験場の設計・建設・保守事業を実施。また、同事業には、ASEAN MRAに基づき、UNR 16項目の認証試験が行える施設の設計および建設、また、2025年2月の完工予定後15年間の保守も含まれる。
なお、試験場では、今後需要増加が見込まれる電気自動車の認証試験も対象としているため、インドネシアに於ける自動車政策にも影響を与えるものになるとのことだ。
豊田通商は、同事業を通じて、インドネシアの自動車産業の活性化と国際競争力の向上を図り、アジア経済のさらなる発展に寄与していくとしている。
[新設する事業会社の概要]
– 会社名:PT Indonesia International Automotive Proving Ground
– 所在地:西ジャワ州ブカシ県
– 設立:2022年10月
– 株主:豊田通商 20%、JOIN 18%、その他現地パートナー 62%
– 代表者:Mr. Hiramsyah Sambudhy Thaib (ヒラムシャ・サムブディ・タイ)
– 事業概要:西ジャワ州ブカシ県における自動車認証試験場の設計・建設・保守事業。
■海外交通・都市開発事業支援機構:https://www.join-future.co.jp/