ORC ROOKIE Corolla H2 Concept
トヨタ自動車(以下「トヨタ」)は3月19日、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース」(以下「SUZUKA 5時間耐久レース」)において、2022年のスーパー耐久シリーズでの参戦体制を発表した。
トヨタは2022年、それぞれ異なる燃料を使用するパワートレーンを搭載した、3つの参戦車両をスーパー耐久シリーズに投入する。これらの車両をモータースポーツの現場でアジャイルに鍛え、課題を解決していくことで、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を進めるとともに、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。また、他業界とも連携するなど、引き続き、水素やカーボンニュートラル燃料を「つくる」「はこぶ」「つかう」仲間づくりを進めていくとしている。
■2022年スーパー耐久シリーズの参戦体制
<水素エンジンカローラ>
参戦車両名:ORC ROOKIE Corolla H2 Concept
チーム:ROOKIE Racing
クラス: ST-Q
参戦レース:全7戦
<GR86(カーボンニュートラル燃料)>
参戦車両名:ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
チーム:ROOKIE Racing
クラス:ST-Q
参戦レース:全7戦
<GR86(ガソリン)>
参戦車両名:TOM’S SPIRIT GR86
チーム:トムススピリット
クラス:ST-4
参戦レース:初戦を除く6戦
■2022年スーパー耐久シリーズに投入する3つの参戦車両の目標
1.水素エンジンカローラ
水素エンジンカローラは、2021年スーパー耐久シリーズに計4戦参戦し、モータースポーツを通じたアジャイルな開発を進めてきた。昨年5月の初戦から11月の最終戦までの約半年で、出力は24%、トルクは33%向上、異常燃焼の制御も実現するなど、エンジン性能をガソリンエンジン並みまで鍛え上げてきた。一方で、実用化に向けては、航続距離の改善や水素充填時間の短縮が大きな課題であり、年間を通じて、解決に取り組んでいく。
2.GR86(カーボンニュートラル燃料)
2022年から、内燃機関を活用した燃料の選択肢を広げる挑戦として、カーボンニュートラル燃料を使用する、GR86をベースとした新たな車両を投入する。車両にはGRヤリスと水素エンジンカローラのエンジンをベースに開発した1.4Lターボエンジンを搭載し、手の内にある技術を活用して開発を進めていく。
カーボンニュートラル燃料は、燃焼時には二酸化炭素を排出するが、燃料自体に大気中に存在する二酸化炭素を使用しているため、排出量はプラスマイナスゼロになること、また既存のインフラや車両技術を活用できることから、カーボンニュートラル実現のための手段の一つとして注目されている。今年一年間、同じくST-Qクラスに参戦するスバルと競い合いながらモータースポーツの現場で鍛えることで、課題を発見、改善し、将来的な実用化の可能性を探っていく。また、レースで鍛えて得られた知見を、SUBARU BRZとGR86の進化に生かしていく。
3.GR86(ガソリン)
第2戦の「富士SUPER TEC 24時間レース」より、トムススピリットの参戦車両として、GR86をベースとした車両を投入する。ST-Qクラスで出場するGR86(カーボンニュートラル燃料)と比べ、より市販車に近い車両をレースで鍛え、その学びを市販モデルやパーツの開発に生かし、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を進めていく。また、他のチームと切磋琢磨していくことでST-4クラス全体の盛り上げにも寄与していきたい考え。
ORC ROOKIE GR86 CNF Concept