新型コンパクトSUV、唯一、市場が拡大するSUV向けの商品
トヨタ自動車、ダイハツ工業は11月5日、新型コンパクトSUVの「ライズ」「ロッキー」をそれぞれ同日から発売したと発表した。ダイハツが開発、生産を担当し、トヨタへも供給する兄弟車だ。新車市場が全般に伸び悩むなか、SUVは唯一、拡大が続いている分野であり、新型車はコンパクトサイズで新たな境地を拓く。(佃モビリティ総研・松下 次男)
ライズ、ロッキーはダイハツの新たな開発手法DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)よる第2弾商品。軽自動車「タント」の次ぐもので、5ナンバーでは初となる。ダイハツの滋賀(竜王)工場で生産し、月販目標はライズが4100台、ロッキーが2000台。
ダイハツにとってDNGAの第2弾であり、5ナンバーで初
トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)とDNGAとの違いは、TNGAが高級車からBセグメントまで対応し、コンパクトサイズでは主に先進国向けをカバー。これに対し、DNGAは軽自動車を含めたA、Bセグメントを担当し、海外市場では新興国向けをカバーする。
このため、ダイハツの松林淳取締役は新車発表会でロッキーベースのSUVの海外展開について「新興国に向けて、プラットフォームを作りつつある。然る時期に公表したい」と述べ、近い将来にASEAN(東南アジア諸国連合)などへ投入する考えを示唆した。
新型SUVのロッキーは今年の東京モーターショーに参考出品し、注目を浴びた商品の一つ。新車市場が低迷するなか、SUVは唯一、市場拡大が持続する分野であり、ライズ、ロッキーはコンパクトサイズで新たな市場開拓を目指す。競合車としてはスズキの「ジムニー」などになるが、真っ向から対抗する車種は見当たらないとし、「全く新しいAセグメントのSUV」とした。リーズナブルな価格体系で、求めやすさも訴求する。
ダイハツコネクトを初搭載。近い将来、新興国向けに投入する可能性も
ライズ、ロッキーは全長3995ミリメートル、全幅1695ミリメートル、全高1620ミリメートルの5ナンバーサイズで、コンパクトで取り回しがしやすいのが特徴。パワートレインは1000㏄ターボエンジンにCVT(無段変速機)組み合わせ、1・5リットル以下の小型SUVで最も低燃費の1リットル当たり18・6キロメートル(2WD車、WLTCモード)を実現。
予防安全機能では、「次世代スマートアシスト」にブラインドスポットモニターとリヤクロストラフィックアラートの2機能を追加し、後方確認時の安全性を向上した。
ロッキーには、スマートフォンを活用したコネクト機能「ダイハツコネクト」を初めて搭載。同コネクト対応のディスプレイオーディオやカーナビゲーション購入者を対象に車内で使用可能なWi-Fiサービスを提供し、所定の条件を満たした場合は利用開始から3年間、1Gの通信プランを無料で提供する。
車両価格(消費税込み)はライズが167万9千円から228万2200円。ロッキーが170万5千円から242万2200円。