トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男)とソフトバンクグループ(本社:東京都港区、グループCEO:孫正義)は10月4日、東京都内のホテルで共同記者会見を開き、先の1月にトヨタの豊田章男社長自らが米・家電見本市「CES」で発表した「イー・パレット」利用を前提としたMaaS系新会社「モネ テクノロジーズ(MONE TECHNOLOGIES INK.)」の設立で合意した。( 坂上 賢治 )
ただし事業開始を早くも2008年度中としているため、早晩イー・パレットによる事業活用とは行かない。したがって、まずは既存の生産車両をベースとしたMaaS事業の実証を行っていく。
また具体的な事業分野では「移動コンビニ車」や「移動タイプの医療サービス提供車」などの流通系サービスを展開していくとした。
それはかつてiPhoneで「製品開発とエコシステムの構築」を目指した米・アップルと、「端末販売や端末に関わるサービス提供」を目指したソフトバンクとの事業連携の関係に似たものになるのだろう。
ちなみにかつて米・アップルが「iPhone」を初披露して以降、東アジア圏を筆頭に欧米でも、必ずしもiPhoneの市場シェアが飛び抜けて高い訳ではなかった。そんな中で日本国内でいち早く同製品が日本国内のマーケットを占拠したことには大きな理由がある。それはiPhone自体の製品完成度の高さもあるが、まだ海のものとも山のものとも判断がつかない段階のiPhoneを強引に日本国内に引っ張ってきた孫正義氏の手腕によるところが大きかった。そうした意味で今回も孫氏の「目利き」が威力を発揮するのかには注目が集まる。
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