トヨタ自動車傘下のTOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は米国西部時間の3月31日、カリフォルニア州ロングビーチで行われる〝フォーミュラドリフト第1戦〟の開幕前日に、「GRカローラ」を世界初披露した。同車の日本国内での発売予定は2022年後半となる見込み。
ちなみにフォーミュラドリフトは、米国各地を転戦する市販車ベース車両で競われるドリフトシリーズ。日本国内に於けるD1グランプリにあたるもの。今季2022年シリーズへトヨタは、GRカローラ(1台)、GR86(2台)、GRスープラ(1台)の出走を予定している。
トヨタでは「カローラはWRC初優勝を飾ったTE25カローラや、その後1000湖ラリーを制したカローラ・レビンなどを踏まえ、今後、未来に向けてモータースポーツを起点とした〝もっといいクルマづくり〟の礎を築くべースモデルとなるべき車両を目指した。
そこで今回、〝お客様を虜にするカローラを取り戻したい〟とするモリゾウことトヨタの豊田章男社長の思いから開発に着手した」と述べている。
より具体的には、水素エンジンカローラによるスーパー耐久シリーズ参戦を通じて、車両を徹底的に鍛え上げたと言う。そんな同車にはGRヤリスに搭載されていた1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンの最高出力を224kW(305ps)に拡大。
同じく車体もカローラスポーツのボディを基本骨格としつつも、GRヤリスに搭載したスポーツ4WDシステムGR-FOURを最適化させて搭載。更にフロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化(フロントフェンダーを片側20mm、リヤフェンダーを片側30mm拡大)する事で高い旋回性能を実現させた。
併せてボディ剛性も強化。車両を元町工場GRファクトリーで生産する事により、車体制度を高めて操縦安定性能を向上させている。またGRヤリスと同様に形状自由度の高いSMC(シートモールディングコンパウンド工法)で成形されたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)素材のルーフパネルを取り入れる事で高剛性化と軽量化についても両立させたとしている。
GRカローラ(北米仕様)の主な諸元(開発目標値)は以下の通り
– 全長 (mm) :4,410
– 全幅 (mm) :1,850
– 全高 (mm) :1,480(アンテナを含む数値。ルーフ高は1,455)
– ホイールベース (mm): 2,640
– トレッド前 (mm) :1,590
– トレッド後 (mm) :1,620
– 乗車定員 :5
– 車両重量 (kg): 1,475
– エンジンシステム :1.6L直列3気筒インタークーラーターボ
– エンジン型式 :G16E-GTS
– エンジン/内径×行程 (mm): 87.5×89.7
– エンジン総排気量 (L) :1.618
– エンジン圧縮比 :10.5
– エンジン最高出力 (kW[PS]/rpm): 224[304]/6,500
– エンジン最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm): 370[37.7]/3,000~5,550
– トランスミッション: iMT(6速マニュアルトランスミッション)
– 駆動方式 :スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”
– 変速機:電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式)
– 変速比:1/2/3/4/5/6/後退
3.538/2.238/1.535/1.162/1.081/0.902/3.831
– 減速比:1~4/5、6、後退
4.058/3.45
– 差動装置フロント :トルセンLSD
– 差動装置リヤ :トルセンLSD
– サスペンション:フロント マクファーソンストラット式
– サスペンション:リヤ ダブルウィッシュボーン式
– ブレーキフロント:ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向4ポットキャリパー)
– ブレーキリヤ:ベンチレーテッドディスク(16インチアルミ対向2ポットキャリパー)
– ホイール: 18インチ グロスブラック15スポークキャストアルミホイール
– タイヤ(フロント・リヤ): 235/40R18 Michelin Pilot Sport 4
– 燃料タンク容量 (L): 50