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2023年11月2日【新型車】

トヨタ、新型クラウン。正統派セダンを再定義

坂上 賢治

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Z(ハイブリッド車)<オプション装着車>

 

トヨタ自動車は、昨年発表した4つの新しいクラウンのなかで11月2日、新型クラウン(セダン)を発表・注文受付を開始した。販売は11月13日を予定している。販売は月販基準台数 で600台/月。生産工場はトヨタ自動車の元町工場となる。

 

 

同社によると新しいクラウンの開発は、セダンありきではなく、クラウンとは何かを徹底的に見つめ直したものだという。その方法論は、クラウンの「革新と挑戦」というDNAを引き継ぎつつ顧客の多様な価値観に寄り添うものとし、その第1弾をSUVと融合させたクロスオーバーとしていた。

 

 

これを踏まえてセダンは、「セダン再発見」を掲げてショーファーニーズを満たすくつろぎの空間の創出に徹したとしている。併せて水素社会の実現に向けて燃料電池車(FCEV)を用意。オーナーの多様なライフスタイルに応える選択肢を増やした。

 

車両開発にあたっては、ホイールベースを3mとしてロングホイールベースとボディのワイド化により後席のゆとりを実現。ショーファーニーズに応えるべく、癒しを感じる間接照明など大人の感性を満たすインテリアを目指し、オーソドックスなセダンではなく、FRプラットフォームを生かしたニューフォーマルセダンに仕立てる新たな価値創造に腐心したという。

 

 

まずボディカラーは、大人の感性に応える全6色を設定。ホワイト、シルバー、ブラックはよりフォーマルな印象に。メタルやグレー、ブロンズはパーソナルユースの印象を与えるものとした。対するインテリアは2色で、上質なブラックと華やかな空気感を演出するミッドブラウンが用意されている。

 

その内装は大型の杢目調パネルを採用して、インストルメントパネルから左右のドアに連続する配置やコンソールが浮き出て見えるようにすることで、ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するアイランドデザインとした。

 

またインストルメントパネル左右や前席足元、リヤドアトリム左右には全64色に色替え対応可能なLED照明を配置。行燈のような柔らかい灯りによる間接光により室内に奥行きと心地よさを演出している。

 

 

走行時は、サスペンションセッティングの最適化やAVSで減衰力を制御し、路面の凹凸を乗客に伝えない足回りに仕上げた。旋回時の揺れや、荒れた路面の揺れをも小さく抑えたという。

 

パワーユニットに関してFCユニットはMIRAIと同一のものとし、3本の高圧水素タンクと燃料電池などを搭載。1回あたり約3分の水素充填で最大約820kmを走り切る。

 

HVは2.5L マルチステージハイブリッドシステムをトヨタとして初搭載。エンジンと二つのモーターに加え、有段ギアを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現した。

 

これにより従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hからだったものを約43km/hから使用可能としている。また(FCEVのみ)外部給電器の接続により、大出力の電力を住宅や電気製品に供給できる。加えてFCEV、HEV共に車内の2ヵ所のアクセサリーコンセント(AC100V 1,500W)で電気製品を利用することができるようにした。これは走行中だけでなく、非常時給電システムとして、車両が停止した状態でも給電できる。

 

価格(消費税込み、単位 : 円)は、Z[FCEV]第2世代FCシステム後輪駆動が 8,300,000-。Z[HEV]2.5L マルチステージハイブリッドシステム後輪駆動が7,300,000-となる。併せてKINTOを介してサブスクリプションサービス(個人・法人)でも11月9日(木)より取り扱いを開始する。新型クラウン(セダン)での月額の目安は、月々108,130円(税込み)からとなる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。