Z(ハイブリッド車)<オプション装着車>
トヨタ自動車は、昨年発表した4つの新しいクラウンのなかで11月2日、新型クラウン(セダン)を発表・注文受付を開始した。販売は11月13日を予定している。販売は月販基準台数 で600台/月。生産工場はトヨタ自動車の元町工場となる。
同社によると新しいクラウンの開発は、セダンありきではなく、クラウンとは何かを徹底的に見つめ直したものだという。その方法論は、クラウンの「革新と挑戦」というDNAを引き継ぎつつ顧客の多様な価値観に寄り添うものとし、その第1弾をSUVと融合させたクロスオーバーとしていた。
これを踏まえてセダンは、「セダン再発見」を掲げてショーファーニーズを満たすくつろぎの空間の創出に徹したとしている。併せて水素社会の実現に向けて燃料電池車(FCEV)を用意。オーナーの多様なライフスタイルに応える選択肢を増やした。
車両開発にあたっては、ホイールベースを3mとしてロングホイールベースとボディのワイド化により後席のゆとりを実現。ショーファーニーズに応えるべく、癒しを感じる間接照明など大人の感性を満たすインテリアを目指し、オーソドックスなセダンではなく、FRプラットフォームを生かしたニューフォーマルセダンに仕立てる新たな価値創造に腐心したという。
まずボディカラーは、大人の感性に応える全6色を設定。ホワイト、シルバー、ブラックはよりフォーマルな印象に。メタルやグレー、ブロンズはパーソナルユースの印象を与えるものとした。対するインテリアは2色で、上質なブラックと華やかな空気感を演出するミッドブラウンが用意されている。
その内装は大型の杢目調パネルを採用して、インストルメントパネルから左右のドアに連続する配置やコンソールが浮き出て見えるようにすることで、ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するアイランドデザインとした。
またインストルメントパネル左右や前席足元、リヤドアトリム左右には全64色に色替え対応可能なLED照明を配置。行燈のような柔らかい灯りによる間接光により室内に奥行きと心地よさを演出している。
走行時は、サスペンションセッティングの最適化やAVSで減衰力を制御し、路面の凹凸を乗客に伝えない足回りに仕上げた。旋回時の揺れや、荒れた路面の揺れをも小さく抑えたという。
パワーユニットに関してFCユニットはMIRAIと同一のものとし、3本の高圧水素タンクと燃料電池などを搭載。1回あたり約3分の水素充填で最大約820kmを走り切る。
HVは2.5L マルチステージハイブリッドシステムをトヨタとして初搭載。エンジンと二つのモーターに加え、有段ギアを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現した。
これにより従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hからだったものを約43km/hから使用可能としている。また(FCEVのみ)外部給電器の接続により、大出力の電力を住宅や電気製品に供給できる。加えてFCEV、HEV共に車内の2ヵ所のアクセサリーコンセント(AC100V 1,500W)で電気製品を利用することができるようにした。これは走行中だけでなく、非常時給電システムとして、車両が停止した状態でも給電できる。
価格(消費税込み、単位 : 円)は、Z[FCEV]第2世代FCシステム後輪駆動が 8,300,000-。Z[HEV]2.5L マルチステージハイブリッドシステム後輪駆動が7,300,000-となる。併せてKINTOを介してサブスクリプションサービス(個人・法人)でも11月9日(木)より取り扱いを開始する。新型クラウン(セダン)での月額の目安は、月々108,130円(税込み)からとなる。