トヨタ自動車(以下「トヨタ」)は4月19日、電動車のフルラインアップ化の一環として新EVシリーズ「TOYOTA bZ(トヨタ ビーズィー)」を発表し、中国・上海モーターショーにて、シリーズ第一弾となる「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプト車両を初披露した。
TOYOTA bZシリーズは、中国・米国・欧州など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域を対象としている。bZはbeyond Zeroの略で、単なるZero Emissionを超えた価値を顧客へ届けたいという想いが込められているという。
新EVシリーズTOYOTA bZは、それぞれ得意分野を持つパートナー企業と共同で開発を進めており、シリーズ第一弾となるTOYOTA bZ4Xは、パートナーの一社であるSUBARUとの共同開発によるSUVタイプのEV。
電動化を得意とするトヨタ、すぐれたAWD技術を持つSUBARUが互いに強みを持ち寄り開発したTOYOTA bZ4Xは、以下のような特徴を有している。
・共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームによる、ショートオーバーハング・ロングホイールベース化により、特徴的なスタイリングと、Dセグメントセダン並みの室内空間を実現。
・操舵時に持ち変える必要がなく、広々としたスペースの演出にも寄与する異形ステアリングホイールと、意のままにスムーズな運転感覚をもたらすステアバイワイヤを採用。低いインストルメントパネルやステアリングホイール上方に配置したメーターによる開放感や視認性の向上とともに、更に安心・安全なドライビングに貢献。
・共同開発した新AWDシステムを採用。電動車ならではの素早いレスポンスを生かした安全で気持ちの良い走りと、高い走破性を実現。
・回生エネルギーの活用に加え、停車中も賢く充電を行い、EVならではの環境性能をさらに上積みする、ソーラー充電システムを採用。
なお、日本と中国での生産を予定しており、2022年年央までにグローバルでの販売を開始する計画だ。
トヨタは1993年、21世紀に地球に必要とされるクルマの姿を提案する「G21プロジェクト」を企画、その成果として1997年に、世界初の量産型ハイブリッドカー プリウスを導入した。
以降、「環境車は普及し、CO2削減に貢献してこそ初めて環境車としての意義がある」すなわちサステナブル(持続可能)な移動手段をプラクティカル(実用的)な形で提供するとの考えのもと、HV/PHV/EV/FCVという電動車のフルラインアップ化を推し進め、2020年末現在、乗用車・商用車合わせHV45車種・PHV4車種・EV4車種・FCV2車種の計55車種の電動車をラインアップしている。
電動車のフルラインアップ化の一環として、EVでは、2025年までに15車種の導入を計画。そのうち新シリーズTOYOTA bZについては7車種の導入を計画している。