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2021年10月29日【SDGs】

トヨタ、新型BEV「bZ4X」の詳細を公表

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ自動車(以下「トヨタ」)は10月29日、新型BEV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の詳細を公表した。車両そのものは、かつて4月19日に同社の電動車フルラインアップ化の先兵として中国・上海モーターショーで披露されたTOYOTA bZ4Xに沿ったもの。なお同車は、スバルとの共同開発を経て生まれたトヨタの独自製品であるゆえ、スバルブランドからも同一プラットフォームを利用したスバルの独自色を打ち出した車両が投入される予定だ。

 

一方、トヨタbZ4Xの車両特徴としては、本記事後半で後述する4つの新しい価値提供を通してプラクティカル(実用的)な形でサステナブル(持続可能)な移動手段を提供するという触れ込みとなっている。

 

 

具体的には、10年後の搭載蓄電池容量の90%を保証。使用後の蓄電池は蓄電池インフラなど自動車搭載外に使われた後に構成素材の高リサイクル率を徹底。さらに実用航続距離では、少なくとも500kmを目安とするなど、BEVに慎重だったトヨタらしく、車両の製品価値に対して拘りを示している。

 

 

またクロスオーバーSUVとしての走りの魅力・ワクワク感を盛り込むべく、一部車種に反映されるとみられるステアリング・バイ・ワイヤ機能を活かした異形ステアリングホイールなどの新たな次世代車要素も盛り込まれている。これはステアリングの回転角度を、持ち替えを不要とする約±150°として、これまでには無かったワンモーションの操舵体験を提供するもの。こうした新規装備を複数搭載し旧来の自動車ファンが求める運転の愉しさにも応えていく。

 

 

ちなみにトヨタ初の量産BEVとしての課題は、トヨタブランドからのリリースになることから価格帯の設定がどうなるか。また少なくとも日本国内では絶大な信頼感があるトヨタブランドであるが、後発BEVに相応しいクルマとして盛り込んだ様々な魅力を、海外市場に向けて国内同様に如何に浸透させていけるかにある。なお今回の車両詳細公表示時の訴求ポイントは以下の通り。

 

■カーボンニュートラルへのアプローチは「プラクティカル&サステナブル」
トヨタは、「ホームプラネット」である、地球という美しい故郷を次の世代に引き継いでいくことを目指して、持続可能な社会の実現に向け様々な課題の解決に取り組んでいる。

 

なかでもCO2排出量削減は地球規模での喫緊の課題であり、トヨタも2050年のカーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みを進めている。環境車は普及しCO2削減に貢献することに意義があるとし、プラクティカル(実用的)な形でサステナブル(持続可能)な移動手段を提供するため、HEV/PHEV/BEV/FCEVという電動車のフルラインアップ化を推し進める。

 

新BEVシリーズ、TOYOTA bZも、この方針に基づき、中国・米国・欧州・日本など、BEVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くの人に受け入れてもらうを目指し、2025年までに7車種を導入する予定だとしている。

 

 

 

 

 

■bZ=beyond Zeroがもたらす新しい価値
トヨタは、TOYOTA bZシリーズの導入にあたり、以下4つの目標価値を定めている。bZ4Xは、これらを踏まえ開発した、TOYOTA bZシリーズ第一弾となるミディアムセグメントSUV型BEVとなる。

 

①You & Othersヒトとヒト
快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供
②You & Your Carヒトとクルマ
BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供
③You & the Environmentヒトと地球
CO2排出量など、マイナスを減らすだけではなくプラスを生み出す
④You & Societyヒトと社会
安心・安全な社会づくりへの貢献

 

■bZ4X 車両概要
・新しい時代を迎えるクルマとして、乗員全員が一緒に楽しい時間や空間を共有できる「絆」のような役割を担いたいという意志を込め、「Activity Hub」をコンセプトとした。インテリア、スタイリング、運転感覚、走行性能など、それぞれの分野で革新にチャレンジ。ワクワク感のあるクルマを目指している。

 

・すべての基礎となるBEV専用のプラットフォームをスバルと共同開発。BEVならではの要件を盛り込み、低重心・高剛性化したプラットフォームにより、BEVだからという以前に、一台のクルマとして魅力のある、滑らかで意のままになる走行性能と、本格SUVとしての走破性を追求した。

 

・特に冬場の航続距離の確保や、世界トップレベルの電池容量維持率(10年後90%)を目標とし、安心して長く使えるBEVを目指した。安全面でも、電池自体の高度な安全性を追求するほか、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の採用や、全方位衝突に対応するボディ構造、衝突時の保護性能確保に寄与する電池パックの採用などにより、安全に乗ることができるBEVを目指した。

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。