トヨタ自動車は、6月1日、グループ企業のデンソーと、両社の主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で検討を開始することに合意したと発表した。
実現すると、現在はトヨタとデンソーの双方で行っている電子部品の先行開発、量産開発及び生産等の事業を、今後はデンソーが一括しておこなうことになる。
この動きは、「電動化」、「自動化」、「コネクティッド」等といった技術の進化が加速し、様々な自動車部品の電子制御化が進む自動車業界において、よりスピーディかつ競争力のある開発・生産体制を構築することが目的だ。
デンソーは、車載用半導体の自社開発・量産を長きにわたり行っており、また世界各地で各種電子部品の開発・生産を行っている企業。
その意味で、同社では、この分野をデンソーに集約することで、より専門性が高い事業を行うことができるとみている。
また、グループ内の重複業務を解消することも可能となり、発生したリソーセスをこれからのモビリティの価値向上に向けた新たな領域にシフトする等、リソーセスの最大活用を図り、グループ全体の競争力を向上していくという。
具体的な合意内容は以下の通りだ。
1,電子部品生産事業の移管について
2019年末をめどに、トヨタの広瀬工場における電子部品の生産をデンソーへ移管する方向で協議する。
デンソーは、電子部品の生産供給体制を戦略的に再整備することにより、電子部品市場のグローバル競争での勝ち残りを図ると共に量産メリットを活かして、より高品質かつ廉価な電子部品をトヨタに供給する。
2,電子部品の量産開発機能の集約について
2022年以降、電子部品の量産開発機能をデンソーへ集約。両社で分散している開発ロケーションの一本化を検討する等、開発から生産まで一体となった新組織体制をグループで構築し、開発スピードを加速していく。
詳細については、今後両社で協議し決めていく方針だ。