トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下トヨタ)は日本時間の8月18日、自社の事業者向けAPI(Application Programing Interface)環境である「MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)」の国際的競争力を高めるべく、米アマゾン傘下のAWS(Amazon Web Services, Inc.、本社:米ワシントン州シアトル、CEO:アンディ・ジャシー<Andrew R. Jassy>)との業務提携をさらに拡大させると発表した。(坂上 賢治)
もとよりトヨタは、世界規模で拡がり続けているコネクティッドカー普及に歩調を合わせ、自らのMSPFを介してコネクティッドカーから収集したビッグデータを次世代車に活かすなど、事業の多角化に期待を寄せてきた。
当然それは、車両メンテナンスの事前通知機能に見られる付帯サービスの拡充だけに留まらない。その一例ではドライバーの運転挙動を商品化に繋げたテレマティクス自動車保険などもある。
しかし実際には、既に存在するカーシェアやライドシェアを超える〝まだ見ぬ新事業〟の創出に意欲を見せている筈だ。
そうしたなかでトヨタは、今回の提携拡大に伴い、AWSのグローバルインフラ環境のみならず、AWSプロフェッショナルサービスをも取り込み・活用することで車両から吸い上げた膨大なトランザクションを蓄積。こうしたビッグデータの利用基盤を強化していく。
また同包括契約の適用範囲をトヨタ本体のみならず、トヨタグループ全体に広げる意向のようで、ビッグデータをグループ各社で安全かつ柔軟に活用できる環境を確かなものとし、CASE(Connected=コネクティッド、Autonomous=自動化、Shared=シェアリング、Electric=電動化を組み合わせた造語)時代に向けた構えをさらに拡充・加速させていくという。
こうした取り組みについてトヨタのChief Information & Security Officerであり、またChief Production Officerである友山茂樹氏は、「コネクティッドは、自動車ビジネスに於ける開発・生産・販売・サービスの全てのプロセスに大きな進化をもたらしています。
今回のAWSとの提携拡大により、ビッグデータ基盤を強化していくことは、我々にとってCASE時代の大きな強みとなるでしょう」と話している。
またこれを受けてAWSのアンディ・ジャシーCEOは、「トヨタは、高性能、高機能かつ高いセキュリティを持つAWSを利用することでグループ企業全体の改革を迅速かつ確かなものとします。
我々の卓越した幅広さと深さを持つAWSサービスを介して顧客の体感価値を高め、世界中のコネクティッドカーに関わる新たなモビリティサービスを変革します。その結果トヨタは、今後も世界の自動車業界をリードし続ける存在になるでしょう」とコメントしている。