東洋ゴム工業は、6月29日、タイヤから乗用車の室内に伝わる音に関する課題を解決する新技術「Toyo Silent Technology(トーヨーサイレントテクノロジー)」に基づき、車内騒音の一つである「タイヤ空洞共鳴音」を効果的に低減するデバイスを新たに開発したと発表した。
「Toyo Silent Technology」とは、乗用車の室内環境により上質な快適性が追求される近年の傾向に対し、乗用車が走行するうえで唯一路面と接するタイヤにおいて、同社が持つ豊富な知見の集積を活かしたタイヤの静粛性に関する技術のことだ。
特に、今回は、タイヤを介して室内に伝わる走行ノイズの中でも、「タイヤ空洞共鳴音」の低減に着目。
これは、タイヤが外部(路面)からの入力を受け、内部に充填されている空気が振動して発生するノイズのこと。
例えば、高速道路を走行中、道路の継ぎ目を通り過ぎるときに「パカーン」という音が聞こえることがあるが、これは転動するタイヤに対して道路表面の凹凸が入力され、タイヤの中の空気が振動する現象によって発生する「タイヤ空洞共鳴音」のひとつだ。
同社では、この「タイヤ空洞共鳴音」が発生する原因を探るため、シミュレーションでタイヤ内部の空気を可視化。これにより、充填された空気自体がタイヤ内部で「周方向への流れ」と「垂直方向への流れ」を発していることを発見。
その対策として、同社が開発したのが、今回発表された独自デバイスだ。
1 2