EV車両開発とパワー半導体技術が合体
元来、東京R&Dは1980年代初頭からEVや電動バイクなどの開発を手掛けてきた企業で、2004年には最高速度400km/hを目指し慶應義塾大学と開発したEV実験車両「Eliica(エリーカ)」の製作を担当したことでも有名。また、近年は国や自治体などが行う実証実験用車両として、EVバスやFC(燃料電池)トラックなどの開発も行っている。
一方、2014年設立で比較的若い企業であるヘッドスプリングは、パワーエレクトロニクス製品の開発・製造・販売事業が主な業務内容だ。加えて、同社は、特にSiC(シリコンカーバイト)やGaN(窒素ガリウム)を素材とする次世代パワー半導体の開発活用技術を得意とするのが特長だ。
新会社は、こういった東京R&Dが持つ車両システム技術と、ヘッドスプリングが持つ電力変換技術を生かし、近年注目されているEVやFCVの普及に向け、先進的な車載用電力変換器(インバータやコンバータ、モーター、充電器などの電動パワートレイン)の開発や、開発した電力変換器の評価などを行う。