東京ガスは6月28日、ユビ電と資本業務提携契約(以下「提携」)を締結し、電気自動車(以下「EV」)充電サービス事業を共同で推進していくことに合意したと発表した。
2021年6月に政府が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、2035年までに乗用車新車販売において電動車比率100%を目指すことが示される等、脱炭素社会の実現に向けて、EVの更なる普及拡大が求められている。
新築住宅における充電設備設置状況
一方、EVの普及を阻害する大きな要因の1つが、国内の住宅市場の約4割を占める集合住宅における充電環境の整備の遅れであり、集合住宅に住む人は、EVに関心を持った場合でも、自宅に充電環境が無いことを理由に、購入まで至らないケースが多い現状である。
EV試乗希望者の住居(左)と実際のEV購入者の住居(右)
東京ガスは、提携を通じ、集合住宅比率の高い首都圏を事業基盤とする総合エネルギー事業者として、EVの普及拡大に貢献すべく、ユビ電のEV充電サービス「WeCharge(ウィーチャージ)」のシステム基盤を活用したEV充電サービスの事業化を検討する。
このサービスは、アプリとQRコードを用いることで、個別のコンセントでも車両ごとに充電量(電気の使用量)の管理をすることができる。これにより、EVユーザーが契約している駐車スペース毎に設置したコンセントを用いた、利便性の高い充電環境整備が可能。また、設置スペースの制約により充電環境の整備が難しかった機械式駐車場等においても、導入しやすくなる。なお、導入時の設備費・工事費は、一般社団法人次世代自動車振興センターの補助金の適用対象。
東京ガスは、2021年度下期に、首都圏エリアでの集合住宅向けEV充電サービス開始を予定している。また、東京ガスグループの電力小売事業と組合せた新たなサービスなどについても検討していく。
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において掲げた「価値共創のエコシステムの構築」に向け、引き続き顧客、地域社会、自治体、異業種企業やスタートアップ企業を含むビジネスパートナーなどと連携し、快適性の向上や環境負荷低減など多様な価値を創出・提供していくとコメントしている。