運行管理システムを開発・販売する東海電子は6月20日、飲酒運転できないクルマ(中古車)の販売事業を7月1日から開始する。そんな同社によると昨年(令和5年)の日本の飲酒運転は、死亡事故112件、死亡事故ではない飲酒運転事故2,346件、飲酒運転違反者:21,467件にのぼるという。
飲酒運転の裏には、アルコール依存症という疾病があると言われている。しかし、アルコール依存症は、明日すぐに治るものではないとも言われている。前述を踏まえ同社は、「日本全国で、毎日飲酒運転しているひとが警察に捕まっており、結果的に年間100以上のいのちが失われている。クルマが物理的に動かなければ救えた命は多いと、当社は考えています」と話している。
そうしたなかで、現在、日本で販売されているクルマは100%飲酒運転が出来てしまうクルマであるとも言う。そこで同社は、2024年7月1日から飲酒運転できないクルマ(中古車)の販売を行う事業サイトとして「飲酒運転できないクルマ 売っています」を開始した。
この飲酒運転できないクルマとは以下の通りだ。具体的に〝飲酒運転できないクルマ〟とは、アルコールインターロックという“飲酒しているとエンジンをかけさせない装置”が予め搭載されている車両を指す。同社は、このような車両を肉親や同居家族による飲酒運転に悩む方のために販売するとした。
東海電子が、こうした事業を開始した背景には、先の2021年6月28日の千葉県八街市の飲酒運転死傷事故の後、肉親の飲酒運転に悩む方々がアルコールインターロックを家族の自家用車に装着したいという声が増えたことがあったのだと言う。
「従来アルコールインターロックを購入する際は、一台一台取付可否を調査しなければなりませんでした。しかし、取付可否の技術調査をしているあいだに装置の購入を諦めてしまう方が多々見られました。
このため当社は、あらかじめ中古車を調達し、アルコールインターロック装置を装着し、動作保証が出来ているクルマそのものを販売する事業を開始することにしました」と同事業を始めた理由を説明している。
販売事業の概要は以下の通り
実車を見たい・購入したい希望者
- 販売開始日:2024年7月1日
- 店舗名 :東海電子株式会社 アルコールインターロック車両 富士販売センター
- 事業許可 :静岡県公安委員会古物商許可第 49110A000549 号
- 住所 :静岡県富士市厚原 247-15
こちらで実車が確認できる(要事前連絡) - 購入方法 :ウェブサイトから問い合わせされたい
https://alcohol-interlock.com/contact/form/
今後の事業展開
将来的に自動運転技術によって飲酒運転が激減することも予想できる。しかし、年間2万人にも及ぶ飲酒運転、死亡事故100件強は、「いま」起きていることであり、被害者遺族は毎日増え続けているのであり、来年、再来年も劇的に減ることは難しい。
そこで生活の足として自動車を持っている一方で、飲酒運転をしてしまう家族を持つ人達に向けて、まずは飲酒運転できないクルマ専門店を開店したとしている。
同社では、「自動運転まで、待てない、待たない。企業やテクノロジーは、明日のいのちにも責任があります。もし中古車ディーラー様、新車ディーラー様で、飲酒運転できないクルマを、差別化や販売戦略、新しいブランドと考える企業様がいらっしゃいましたら、是非お声がけください」と結んでいる。
問い合わせ先
東海電子株式会社 アルコールインターロック車両 富士販売センター
静岡県公安委員会古物商許可 第 49110A000549 号
静岡県富士市厚原 247-15
https://alcohol-interlock.com/carsales/