IDOM CaaS Technology(以下「ICT」)は4月12日、新生銀行、プライムロック・インベストメント、セカンドサイトアナリティカ、ベストインクラスプロデューサーズを引受先とした総額14億円の資金を調達したことを発表した。
ICTは、中古車のガリバーから自動車の流通ノウハウを受け継ぐ形で2020年にスピンオフした、クルマのサブスク“ノレル(NOREL)”を展開している。今回の資本業務提携により、独自の審査基準やAIを活用した残価予測の精度向上などFintech領域の開発を強化する。
■資金調達の3つの狙い
1.従来の与信審査に頼らない独自の与信AIモデル構築によりサービス提供顧客を拡大
ノレルでは、2016年から一般的な審査基準より低い独自の審査基準を設け、サービス提供をし、利用実績データの蓄積をしてきた。今回の資金調達により、これまで5年以上に渡り蓄積したノレルの利用データに加え、東証グロース市場への上場第1号となったセカンドサイトアナリティカが保有するSXスコアを活用し、独自の与信AIモデルを構築する。一般的な与信審査が通らない人でも自身のライフスタイルに合わせて、より多彩な選択ができるようサービスラインアップを拡充していく。
2.コスト効率の高い車両マネジメントシステム構築による柔軟かつ経済合理性の高いサービスの拡充
現在の一般的なクルマのサブスクリプションサービスやリースサービスは、クルマの価値の下落分を加味した料金設計になっている。昨今の変化の激しい市場においてクルマの将来価値を予測することは非常に難しく、提供料金にコストを上乗せせざるを得ない実態がある。
今回の新生銀行グループとセカンドサイトアナリティカとの協業により、累計1万台以上の納車実績を有するノレルの車両データを活用した自動車残価予測AIモデルを新たに構築し、クルマの将来価値をより精度高く予測していく。
3.カスタマーサクセス機能拡充のためのさらなる拠点展開
中古車のガリバーで培った中古車流通ノウハウを活かし、各地の流通ネットワークを活用することで、より円滑にクルマを届けられるよう拠点の拡充を図る。また、ノレルでは、ガリバーから引き継ぐDNAでもある顧客に徹底的に寄り添う提案力やあらゆるクルマに関する知識を強みにカーライフにおける不安や困りごとを即時に解決できる顧客のサポート体制を整え、顧客一人一人のカーライフを包括的にサポートしていく。