リチウムイオン電池リユース・リサイクル 市場規模・予測
※車載用リチウムイオン電池からリユース・リサイクルされ、蓄電池等の形状で販売されている製品を対象とする。
日本能率協会総合研究所は12月3日、提供するMDB Digital Searchではリチウムイオン電池のリユース・リサイクル市場を調査し市場規模を推計したことを発表した。
リチウムイオン電池 リユース・リサイクル市場概況
・2025年度のリチウムイオン電池のリユース・リサイクル市場は約25億円となる見込み。
・電気自動車の市場拡大、普及が進み、リチウムイオン電池リユース・リサイクルのニーズが高まる。
・使用済み電池の故障部分を交換・修理して再利用する「リユース」、リチウムやコバルトなどの材料を回収・再利用する「リサイクル」の研究、事業化が、自動車メーカーを中心に進められる。
・リユース品は定置用蓄電池として用いられ、非常用電源の設置ニーズが高い病院、自治体等へ導入実績を重ねる。
・新品に比べ安価であること、環境意識の高まりからリチウムイオン電池リユース・リサイクルは急拡大が見込まれる。
リチウムイオン電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車といった次世代自動車の需要拡大に伴い、車載用電池としての需要が増加傾向にあるが、一方で、リチウムイオン電池に使用されるレアメタルは産出量・流通量が限られており今後需給逼迫の可能性が高いことから、リチウムイオン電池のリユース・リサイクルのニーズが高まっている。リチウムイオン電池の「リユース」とは、使用済みリチウムイオン電池の中の故障したセルを交換・修理して再利用すること、「リサイクル」は、使用済みリチウムイオン電池を分解してリチウムやコバルトなどの材料を回収し再利用することを指す。
車載用リチウムイオン電池は、5~10年程度使用すると蓄電容量が低下するため交換が必要となる。使用済みの車載用電池からリユースされた製品は、再び車載用として利用するには適さないが、蓄電用など他の用途には適応することができる。リユースされた電池は、定置用蓄電池として再販され、新品の蓄電池よりも安価であることから、非常用電池の設置ニーズが高い病院や自治体、コンビニなどへ多く導入されている。一方、リサイクル品はリユース品よりも性能が高く、車載用電池としての再利用も可能なため、自動車メーカーへ販売されるが、分解してリチウムやコバルトなどの材料を回収するのにコストがかかることから、現時点での流通は僅かである。
自動車メーカーを中心とする参入企業の積極的な取り組みや、環境意識の高まりから、リチウムイオン電池のリユース・リサイクルは急速に伸長し、今後も市場は拡大が見込まれている。
調査では、使用済みの車載用リチウムイオン電池からリユース・リサイクルされ、蓄電池等の形状で製品化・販売されている製品を対象とし、市場規模を推計した。
■MDB Digital Search
調査結果の詳細を収録、提供している。
http://search01.jmar.co.jp/mdbds/
■日本能率協会総合研究所
http://www.jmar.co.jp/