TOYOTA GAZOO Racingは10月4日、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦ラリー・フィンランドの結果を発表した。
ラリー・フィンランドのSSの多くは、緩やかな高速コーナーが続くグラベルコース。路面は硬くフラットで、普通に走る限りはまるで舗装路のように感じるほどである。見どころは超高速ドリフトと、数十メートルも飛ぶビッグジャンプで、ラリー・フィンランドを「特にお気に入りのラリー」に挙げる選手も多い。
2017年にはエサペッカ・ラッピが、2018年と2019年にはオィット・タナックがチームに優勝をもたらし、ヤリスWRCはデビュー年から現在まで地元で三連勝中。2020年の大会は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりとなる2021年は開催時期が夏から秋へと移された。
10月1日(金)、フィンランド中部ユバスキュラのサービスパークを中心にデイ1として6本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合7位につけた。
また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、今回新たにアーロン・ジョンストンをコ・ドライバーに迎え、オープニングのSS1でベストタイムを記録。SS2では高速で360度スピンを喫してタイムを失ったが、オジエに次ぐ総合8位で1日を終えた。
なお、2017年にTOYOTA GAZOO Racing WRTのドライバーとしてヤリスWRCでこのラリーを制したエサペッカ・ラッピは、今回プライベーターとしてヤリスWRCで出場。トップカテゴリーのクルマをドライブするのは今シーズン初めてであったが、エバンスと0.6秒差の総合4位につけている。
競技2日目デイ2は、フィンランド中部ユバスキュラのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が、デイ1の総合3位からふたつ順位を上げ首位に立った。
また、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は、総合5位にポジションを上げた。なお、総合4位につけていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は、SS10でコースオフを喫しデイリタイアとなった。
一方エサペッカ・ラッピは、総合4位を守り、勝田貴元は、SS8でコースを外れクルマの右リヤを破損しデイリタイアとなった。しかし、その後サービスでメカニックがクルマを修理。勝田はデイ3での再出走を予定する。
10月3日(日)、最終日デイ3は、フィンランド中部ユバスキュラのサービスパークを起点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が優勝。第4戦ラリー・ポルトガル以来となる、今シーズン2勝目を獲得した。
また、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は総合5位でフィニッシュし、ドライバー選手権首位を堅持。前日のデイリタイアを経てデイ3で再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は、総合34位で完走した。
なお、プライベーターとしてヤリスWRCをドライブしたエサペッカ・ラッピは、4本中3本のステージで3番手タイムを記録し、総合4位でフィニッシュ。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、前日のデイリタイアを経て再出走。パワーステージを含む2本のステージで4番手タイムを記録するなど速さを示し、総合37位で完走している。