新型GR 86 / スバルBRZ
TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は5月3日(月)、4日(火)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」の結果を発表した。
2020年は開幕が遅れ、レース距離も短縮されたこともあり、恒例だったゴールデンウィーク中の富士大会、そして500kmレースの開催は2年ぶりとなる。
なお、今大会よりコース上でのアクシデントに対する安全対策として、これまでのセーフティカーに加え、FCYが初めて導入されている。FCY導入時には、コースを走行する全車両の速度が80km/hに制限される。
■SUPER GT 2021年 第2戦 富士 決勝結果:GT500
■SUPER GT 2021年 第2戦 富士 決勝結果:GT300
■GT500 予選/決勝
– 予選
3日(月)午後2時半よりノックアウト方式の予選が行われた。この日は朝から好天に恵まれたが、午後になってやや雲がかかり、気温16度、路面温度24度のコンディションであった。Q1は、まずZENT CERUMO GR Supra38号車を駆る石浦宏明が1分27秒台に入れると、各車が僅差でこのタイムを塗り替えていく展開に。チェッカーが振られた直後にフィニッシュラインを通過した山下の14号車が、最大40kgのサクセスウェイトをはねのけてのトップタイムをマーク。そして開幕戦で山下との激戦を繰り広げた坪井翔のau TOM’S GR Supra36号車がこちらも30kgのサクセスウェイトにも関わらず3番手で続いた。4番手に平川の37号車、タイムを更新した石浦は5番手。国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra19号車が6番手、中山雄一のDENSO KOBELCO SARD GR Supra39号車が7番手に入り、上位8台によるQ2へと、GRスープラは6台全車が進出を決めた。
Q2では、まず38号車の立川祐路がQ1でのトップタイムを上回る好タイムをマークしトップに。しかし、午前中の公式練習走行でトップタイムをマークし好調な19号車を駆る宮田莉朋が、コースレコードタイムにコンマ1秒まで迫る1分26秒台に入れてトップを奪う。
立川はさらにタイムを更新したが、19号車には届かず。ライバルが最後に宮田のタイムに1000分の3秒差まで詰め寄るが、19号車のトップは変わらず、19号車が2016年の第6戦ブリーラム(タイ)大会以来5年ぶりとなるポールポジションを獲得した。宮田にとってはGT500クラスで初めてのポールポジション獲得となった。
38号車が3番手、関口雄飛がアタックした36号車が4番手、今大会もシリーズエントリーのサッシャ・フェネストラズが入国制限により欠場のため、代役で阪口晴南がドライブした37号車が5番手、14号車の大嶋は6番手、39号車のヘイキ・コバライネンが8番手につけ、決勝レースに臨むこととなった。
見事ポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/宮田 莉朋)
予選3位のタイムをマークしたZENT CERUMO GR Supra 38号車(立川 祐路/石浦 宏明)
ポールポジション獲得を喜ぶ国本 雄資、坂東 正敬監督、宮田 莉朋
– 決勝
4日(火)は雲一つ無い好天に恵まれ、気温21度、路面温度35度で、やや暑さも感じるコンディション。午後2時半、2周のフォーメーションラップに続き、500km、110周という長丁場で競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールスタートの19号車宮田はスタートでやや遅れ、3ワイドでTGRコーナー(1コーナー)へと進入。石浦の38号車が一旦2位へと浮上したが、2コーナーで坪井の36号車がこれをかわし、2位へ。1周目を終えた時点で36号車坪井が2位、38号車石浦が3位、37号車平川が4位、14号車山下が5位、19号車宮田が6位。コバライネンの39号車は10位へと順位を落とした。
3周目にエンジンブロー車両があり、セーフティカーが導入。7周目に再スタートが切られると、このチャンスに2位の36号車坪井が抜群の再スタートでトップと並び、2コーナーで首位を奪う。
その後方では、3位の38号車石浦に、4位の14号車山下が迫り、16周目のダンロップコーナーに2台が並走して進入、このバトルを制した14号車山下が3位にポジションを上げた。
38号車石浦はその後ペースが落ち、21周目には37号車の平川が先行。そして、31周目には最終コーナーを立ち上がったところで、38号車の左リアタイヤが脱落。38号車は3輪のままピットへと向かうも、ダメージが大きくそのままリタイア。コース上に脱落したタイヤを排除するため、SUPER GTとして初めてのFCYが導入された。
30周台後半になり各車1度目のドライバー交代と給油、タイヤ交換のためにピットイン。FCY直前のタイミングでピットインし順位を上げた車両に続き、関口へと代わった36号車が2位、大嶋の14号車が3位、阪口の37号車が6位、国本の19号車が9位、中山雄一の39号車が10位で中盤戦に入った。
48周目にこの日2度目のFCYが導入され、再スタート時には首位と2位の36号車は15秒ほどの差があったが、36号車の関口は、60周を過ぎたあたりから猛追を開始し、首位との差を詰めていく。
76周目を終えたところで36号車はピットイン。ここで若干タイムをロスし、3位へと後退。しかし、交代した坪井も追い上げを見せ、2位の車両に食らいつくと、88周目のストレートでパスし、2位へと浮上した。
1秒差で首位を追っていた坪井の36号車であったが、97周目に3度目のFCYが出され、99周目にFCYが解除された直後にスローダウン。残り12周でコース脇に車両を停めることに。
その直後、首位を走行していた車両が、黄旗追い越しのペナルティを科され後退。これで中盤までのトップ2台がいなくなり、14号車が2位、37号車が4位で、前車との僅差のバトルとなった。
14号車の山下は再三にわたって首位の車両を攻めるが、追い抜くまでには到らず。このトップ2台のバトルの間に、後半ハイペースで追い上げた37号車の平川が3位との差を一気に詰め、残り3周となったストレートで前の車両をパス。3位表彰台圏内へと順位を上げた。
500kmもの長丁場のバトルにもかかわらず、トップ4台が2秒以内という団子状態でファイナルラップへ突入。14号車の山下、37号車の平川は最後まで激戦を繰り広げたが、逆転には至らず、14号車が2位、37号車が3位でチェッカー。2台のGRスープラが表彰台を獲得。この結果、14号車はランキング首位の座をキープした。
苦戦しながらも粘りの走りを見せた39号車が6位、19号車が7位フィニッシュとなった。
予選6位から追い上げ、2位を獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/山下 健太)
前戦の岡山に続き、3位表彰台を獲得したKeePer TOM’S GR Supra 37号車(平川 亮/阪口 晴南)
DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車(ヘイキ・コバライネン/中山 雄一)
■GT300 予選/決勝
– 予選
3日(月)午後2時半よりノックアウト方式の予選が行われた。この日は朝から好天に恵まれたが、午後になってやや雲がかかり、気温16度、路面温度24度のコンディション。2クラスに分けて実施されたQ1では、A組は埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車の吉田広樹が4番手、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車の中山裕貴が5番手に入り、Q2へと進出。TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車の織戸学は、Q2進出ラインの8番手と僅か0.054秒差の9番手、たかのこの湯 GR Supra GT 244号車の三宅淳詞も、コンマ2秒ほど及ばず僅差のQ1で敗退となった。
B組では60号車の河野がトップタイム。K-tunes RC F GT3 96号車の新田守男が7番手でQ2へ進出。前戦に続き今大会もシリーズエントリーのナタポン・ホートンカムの代役としてarto RC F GT3 35号車をドライブするジュリアーノ・アレジは後半タイム更新できず11番手でQ2進出を逃した。
Q2では吉本がアタックした60号車が3番手、川合孝汰の52号車が4番手につけ、GRスープラが2列目グリッドに並ぶことに。嵯峨宏紀の31号車は10番手、GT500クラスに代役参戦している阪口晴南に代わり96号車をドライブする平良響は13番手となった。
予選4位のタイムを出した埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車(吉田 広樹/川合 孝汰)
予選アタックに向け準備を進めるTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT
– 決勝
4日(火)は雲一つ無い好天に恵まれ、気温21度、路面温度35度で、やや暑さも感じるコンディション。午後2時半、2周のフォーメーションラップに続き、500km、110周という長丁場で競われる決勝レースのスタートが切られた。
3番手スタートの60号車が2位へと上がり、首位争いを展開。4番手スタートの52号車は序盤トップ5圏内につけると、最初のピットインでタイヤ無交換作戦を採り、トップへと浮上。10番手スタートの31号車は8位まで順位を上げたが、トラブルに見舞われピットイン。長い修復を余儀なくされた。
川合が中盤を担当した52号車はライバルよりも早めにピットへ向かい、逆にピットを引っ張った60号車は吉本が着実にポジションアップ。全車が2度目のピットを終えた時点で、吉田の52号車は首位をキープ、河野へと代わった60号車は3位に上がると、前を行くライバルとの激しい2位争いを展開。82周目についにこれをパスし、GRスープラの1-2体制となった。
しかし、残り8周となったところでトップを走行していた52号車は突然のスローダウン。駆動系のトラブルでまさかの戦線離脱。これで首位に立った60号車は、後続2台との三つ巴の首位争いとなったが、河野が見事逃げ切り、トップチェッカー。今季より乗り換えたGRスープラでの初勝利、そして河野にとっても自身スーパーGTでの初表彰台かつ初優勝を成し遂げた。
決勝レースを1位でフィニッシュしたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車(吉本 大樹/河野 駿佑)
たかのこの湯 GR Supra GT(三宅 淳詞/堤 優威)
勝利をを喜ぶSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの飯田 章監督、河野 駿佑、吉本 大樹