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2021年4月9日【イベント】

TGR、2021年SUPER GT開幕戦の結果を発表

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は4月9日、SUPER GT第1戦「たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE」の結果を発表した。

 

2021年シーズンのSUPER GT第1戦「たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE」は、4月10日から11日の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催され、大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra14号車が優勝。14号車と激しい首位争いを繰り広げた関口 雄飛/坪井 翔組 au TOM’S GR Supra36号車が2位、平川 亮/阪口 晴南組 KeePer TOM’S GR Supra37号車が3位、ヘイキ・コバライネン/中山 雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra39号車が4位で続き、GRスープラは開幕戦をトップ4独占という好結果で終えた。

 

昨シーズンは新型コロナウィルスの影響もあり、開幕が遅れ、開催サーキットも限られたが、今季は一昨年までと同様、4月に岡山を舞台として開幕戦が開催された。今季の同シリーズには、昨年に引き続き、トヨタはGT500クラスに6台のGRスープラで参戦。GT500クラスの参戦チームに変更はないが、6チームのうち3チームでドライバーの変更があった。また、GT300クラスでは昨年デビューしたGT300車両のGRスープラが1台から3台へと増加している。

TOYOTA-GAZOO-Racing・ロゴ

 

■予選
10日(土)午後2時よりノックアウト方式の予選が行われた。晴れ渡った空の下、気温15度、路面温度32度と、日差しは春の暖かさを感じさせるコンディションで予選が開始された。

 

GT500クラスの予選は、15台が出走したQ1から、2年目のGRスープラ勢が速さを見せた。まずトムスで4年目のシーズンを迎える関口が、36号車で1分18秒台に入れると、ZENT CERUMO GR Supra38号車の石浦宏明がこのタイムを更新。さらに、昨年最後までタイトルを争った37号車の平川が1分17秒台に入れてトップに躍り出た。

 

そして、2019年以来のシーズンフル参戦となる14号車の山下が2番手タイムで平川と石浦の間に割って入り、WedsSport ADVAN GR Supra19号車の国本雄資は7番手タイム。そしてなかなかタイムを上げてきていなかった39号車のコバライネンはチェッカーラップで8番手に滑り込み、GRスープラ勢はトップ4を含め6台全車が、Q2進出を果たした。

 

Q2では、セッション開始2分ほどで8台全車がコースインしたが、宮田莉朋がドライブする19号車は1周でピットへ戻り、そのままガレージへ入ってしまった。

 

このQ2では、37号車でシーズンエントリーされているサッシャ・フェネストラズが入国制限により今大会出場できず、代役として37号車をドライブする阪口晴南が、Q1での平川のタイムを上回るトップタイムをマークして見せた。

 

チームとしては2年目ながら、山下との、2019年シーズンチャンピオンコンビで今季を戦うこととなった14号車のQ2を担当した大嶋も1分17秒台に入れる好走を見せたが、37号車には僅かに及ばず2番手。36号車へと今季移籍した坪井が3番手。中山雄一の39号車が4番手、立川祐路の38号車が5番手で続き、GRスープラは2021年の開幕戦を、トップ5グリッド独占でスタートすることとなった。19号車は再出走せず、8番手グリッドとなった。

 

GT300クラスは、Q1を2グループに分けて実施。それぞれ上位8台がQ2へと進出する。A組では今季よりGRスープラに車両をスイッチした、たかのこの湯 GR Supra GT 244号車の堤優威がトップタイムをマーク。K-tunes RC F GT3 96号車はベテラン新田守男が8番手タイムでQ2進出を決めた。arto RC F GT3 35号車はシーズンエントリーのナタポン/ホートンカムに代わってドライブするジュリアーノ・アレジが初GTレースでの予選に挑んだが、15番手でQ1敗退となった。

 

B組ではやはり今季よりGRスープラにスイッチしたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車の吉本大樹がトップタイム。僅差の2番手で川合孝汰の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が続いた。また、嵯峨宏紀がアタックしたTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車、織戸学のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車と2台のプリウスも6,7番手でQ2へ進出。

 

Q2ではQ1に続きGRスープラのポールポジションが期待されたが、僅かにライバルに上回られ、吉田広樹がアタックした52号車が2番手。三宅淳詞の244号車が5番手、河野駿佑の60号車が6番手。

 

96号車は今大会、シーズンエントリーの阪口晴南がGT500クラスに乗ることとなったため、2020年のFIA-F4チャンピオンで今季はスーパーフォーミュラ・ライツに参戦しているTGR-DC支援ドライバーの平良響が新田とのコンビでドライブ。初めてのGT戦でQ2アタックを担当し、7番手と好位置につけた。31号車は中山裕貴のドライブで10番手、30号車は永井宏明が15番手グリッドを獲得した。

 

 

 

 

■決勝
11日(日)好天の下、気温19度、路面温度33度という暖かな春のコンディションで午後1時半に82周(300km)で競われる決勝レースのスタートが切られた。

 

阪口晴南がスタートを担当したポールポジションの37号車は好ダッシュを決めて後続を引き離し、2番手グリッドの14号車大嶋に3番手の36号車関口が並びかけたが、順位は変わらず。上位勢はグリッド順のまま序盤戦に入った。

 

上位が周回遅れに追いついてバトルが激化し始めた6周目に、ヘアピンで30号車がスピン。これにより8周目にセーフティカーが導入され、12周目にレース再開となった。再スタート後もGRスープラ勢はトップ5を占める中、代役参戦ながら好走を見せる37号車の若き阪口晴南を、14号車のベテラン大嶋が激しく追撃。しかし、阪口晴南は懸命の走りで首位を堅守した。

 

33周目、GT300車両がコース脇にストップしたため、セーフティカーが出る前にほとんどの車両が一斉にピットへと向かった。大混乱となるピットで、首位につけていた37号車は若干タイムロス。山下へとドライバーチェンジした14号車が首位、坪井に代わった36号車が2位、中山雄一の39号車が3位へと上がり、平川へと代わった37号車は4位へと順位を落としてしまった。

 

その直後にセーフティカーが出され、隊列を整えて40周目に再スタート。ピットインしていなかった1台に続く2位で再スタートを切った山下の14号車はすぐに首位を奪還すると、その後は追いすがる36号車坪井とのマッチレースになった。

 

その後方では39号車の中山雄一に37号車平川が襲いかかり、56周目についに平川が3位に浮上。この時点で3位の37号車と2位の36号車とは15秒もの差があり、首位争いは完全に14号車と36号車のバトルとなった。

 

同じ25歳同士、若きドライバー2人による首位争いは後半戦ずっと続き、終盤には何度も並びかける展開となったが、14号車山下は懸命に凌ぎ、息をもつかせぬバトルが続いた。

 

残り8周となった75周目、勝負に出た36号車坪井はバックストレートで並び、続くヘアピンへの進入でブレーキング勝負となったが、ここで坪井は止まりきれず痛恨のオーバーラン。なんとかそのままグラベルを突っ切ってコースには復帰したが、14号車山下との差は9秒ほどに広がり万事休す。

 

厳しいタイヤの摩耗に苦しみながらも首位を堅守した14号車山下はこれで楽になり、そのままトップチェッカー。開幕戦を制するとともに、チーム創設2年目のTGR TEAM ENEOS ROOKIEに初勝利をもたらした。

 

惜しくも逆転はならなかったものの最後まで健闘を見せた36号車が2位。37号車が3位。終盤後続の猛追を受けるも逃げ切った39号車が4位でチェッカーを受け、GRスープラは2021年の開幕戦をトップ4独占という好結果で終えた。38号車は6位でポイント獲得。19号車は12位に終わった。

 

GT300クラスでは、2番手スタートの52号車が序盤から首位争いを展開。コーナーで差を詰めるも、ストレートスピードで伸びるライバルを逆転するまでには至らず、テール・トゥ・ノーズの2位で周回を重ねた。その後方では、同じくGRスープラ勢の244号車と60号車が5位、6位、そして96号車が7位で続いた。

 

6周目に30号車がヘアピンで他車に追突されストップ。30号車はここでレースを終えることとなった。

 

2度目のセーフティカー導入直前のタイミングでドライバーを交代した後、52号車は3位へと順位を落としたものの、上位4台による首位争いを最後まで繰り広げた。

 

トップ4台はほぼ1秒差という団子状態でフィニッシュ。52号車は3位表彰台を獲得した。この上位バトルに続く形で、244号車が5位。今大会代役としてTGR-DCドライバーの平良がデビューを果たし、後半を担当した96号車も着実な走りで6位入賞。ピットタイミングがずれたものの終盤追い上げた60号車が8位。31号車は終盤まで7位を走行していたが67周目にスピンを喫し、19位に終わった。

 

 

(左)大嶋 和也/山下 健太組のENEOS X PRIME GR Supra 14号車

(右)関口 雄飛/坪井 翔組 au TOM’S GR Supra 36号車

(左)平川 亮/阪口 晴南組 KeePer TOM’S GR Supra 37号車

(右)吉田 広樹/川合 孝汰組 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車

4月5日に発表された新型GR 86(左)とBRZ(右)

 

 

■トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company President 佐藤 恒治:
まず、昨年に続き難しい環境の中で、万全な対策をし、安全にレースを開催してくださったGTアソシエイションの皆さん、岡山国際サーキットの皆さん、そして全国のファンの方々にレースの興奮を伝えてくださったメディアの皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのご尽力によって、無事にレースを開催できたことに、まずは心から感謝申しあげます。

結果は、今日のスーパーGT開幕戦、GT500においてGRスープラが1-2-3-4フィニッシュを飾ることができました。熾烈なバトルを制して優勝したTGR TEAM ENEOS ROOKIE、最後の最後まで激闘を続けてくれた2位のTGR TEAM au TOM’S、3位のTGR TEAM KeePer TOM’S、続くTGR TEAM SARDのチームの皆さん、おめでとうございます!さらにGT300で3位表彰台に輝いた埼玉トヨペット Green Braveの皆さんも、おめでとうございました!

そして、チームやドライバーを応援してくださったファンの皆さん、スポンサーの皆さん、本当にありがとうございました。皆さんの声援のおかげで、GR Supra2年目の今年、最高のシーズンスタートを切ることができました!

私自身、今日のレースを目の当たりにし、モータースポーツには心に訴えかけるアツいものがあると、改めて実感しました。どんなに苦しい状況であっても、この感動と興奮を絶やさず、一人でも多くの方にお届けできるよう、関係者の皆さんと一致団結し、チャレンジを続けてまいりますので、これからも応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

■ENEOS X PRIME GR Supra 14号車 ドライバー 大嶋和也:
ルーキーレーシングとして今年イチから作ったチームで、まさかこんなに早く結果が出せるとは思っていなかったので、正直すごく驚いています。チームメンバーも皆大変だったとは思いますが、すごい頑張って、不安だったピットストップも完璧にこなしてくれて、感謝しかありません。レースに関しては、クルマは今週すごく仕上がりが良くて、選んだタイヤも決勝に向けて自信があったので、2位からでも追い上げて優勝できるだろうと思っていましたが、僕のスティントではなかなかチャンスをつかみきれず、抜くことができませんでした。でもフィーリングはすごく良かったので、トップの真後ろでピットに戻ってくることができれば、まだまだ後半入ればチャンスは出てくるかなと思って、チームのタイヤ交換と、山下選手の走りに託したという状況でした。僕が乗っていたスティントのフィーリングからしてまさかあんなに山下選手が苦戦するとは思わなかったので、これから原因を追及する必要はありますが、よくあの状況で抑えきってくれたなと。あんなに生きた心地のしない時間も中々無く、素直に凄いなと思って見ていました。山下選手を褒めてあげたいです。長いことGTを戦ってきていますが、開幕戦で勝ったのは初めてなので、今後のシーズンをどう戦うのかというイメージはまだ湧いていませんが、2戦目の富士で勝つための準備をしてきましたし、富士は得意なので、また優勝を目指して頑張ります。

 

■ENEOS X PRIME GR Supra 14号車 ドライバー 山下健太:
僕にとっては、今年ルーキーレーシングに入った最初のレースでした。昨日予選を走るまでは、こんなに上位で走れるとは思っていなかったのですが、チームが良い車を作ってくれて、戦える状況だというのが予選でわかりました。今日もスタートを担当した大嶋先輩はとても速く、すごいぐちゃぐちゃになったピットストップでも1番で送り出して貰って、これは多分普通に逃げ切れるなと思っていたのですが、セーフティカー明けで走り出したらどうも微妙な感じで、そこからは坪井選手が毎周のようにすごい勢いで追い上げてきたので、それを抑えるので一杯一杯でした。坪井選手に対してはちょっとこっちが強引なところもあったと思うので、そこは申し訳なく思っていますが、勝てて良かったです。今回はトヨタ勢が強さを見せましたが、次戦以降は変わってくるでしょうし、自分たちは重量を積むことになるので厳しくなってくるとは思いますが、その中でもしぶとく戦って、できる限りポイントを取るというのがチャンピオンを狙う上で必要だと思います。富士は比較的スープラに合っていますし、もう一回優勝するくらいの勢いで行きたいと思います。

 

■第1戦 リザルト GT500クラス

 

■第1戦 リザルト GT300クラス

 

■ドライバーズポイント(GT500)

 

■チームポイント(GT500)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。