TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は4月25日、「2021年 全日本スーパーフォーミュラ選手権」第2戦の結果を発表した。
スーパーフォーミュラの第2戦は、4月24日(土)、25日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
今大会は、FIA世界耐久選手権(WEC)出場のため中嶋一貴と小林可夢偉が欠場。また、サッシャ・フェネストラズも入国制限のため出場できず、代役としてジュリアーノ・アレジがKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車、小高 一斗がKCMGの7号車、中山 雄一がKONDO RACINGの4号車をドライブした。
前大会から3週間のインターバルで行われた今大会は、新型コロナウィルス感染症の影響で開幕が遅れた2020年を除き、例年スーパーフォーミュラの開幕戦として行われてきた鈴鹿での2年ぶりの春開催となった。また、スーパーフォーミュラ・ライツに加えて二輪の全日本スーパーバイクも同一イベントで行われる”2&4″としても2年ぶりの開催となっている。
イベント広場ではGR 86、GRヤリス、GRスープラなどが展示された
関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)
予選
24日(土)午後3時10分より、ノックアウト方式の予選が行われた。フリー走行が行われた午前中に比べると、空にはやや雲がかかり、風が強くなってきたものの、気温21度、路面温度27度と過ごしやすいコンディションでのアタックとなった。
Q1は2グループに分けて実施し、それぞれ10分間のアタックで上位7台がQ2へと進出。A組では平川がトップタイムをマーク。今回代役として初めてスーパーフォーミュラの予選に挑んだアレジが2番手と好走を見せた。国本 雄資(KCMG)が4番手、坪井が5番手につけQ2へと進出。大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)は最後の最後にライバルに上回られ8番手。9番手の中山と共にQ1敗退となった。
B組ではチェッカーが振られたあと激しく順位が入れ替わるアタック合戦となったが、関口が2番手。山下 健太(KONDO RACING)が最後に6番手に飛びんだ。好走を見せながら最終コーナー付近で他の車両にひっかかりタイムをロスした宮田は7番手で辛うじてQ2へ進出。阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING)は惜しくも8番手、小高が9番手でQ2進出はならず。
Q2では関口が1分36秒台に入れ4番手。アレジが5番手につけ、初のスーパーフォーミュラながらQ3進出。平川は6番手、宮田が8番手で続き、トヨタ勢は4台がQ3へと進むこととなった。坪井は11番手、国本が13番手、山下は14番手でグリッドが確定した。
Q3でも、各車終盤ぎりぎりのアタックで、チェッカー後にタイムが塗り替えられた。Q2までのタイムを塗り替えた平川がトヨタ勢の最上位となる2列目4番手。宮田が6番手、関口とアレジが7,8番手で4列目から決勝レースのスタートを切ることとなった。
トヨタ勢の中で予選最上位の4番手を獲得した平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)
初のスーパーフォーミュラに挑むジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 36号車)
決勝
25日(日)も好天に恵まれた。風が強いものの晴れ渡った青空の下、気温23度、路面温度31度の好コンディションで、午後2時30分に30周で競われる決勝レースのスタートが切られた。
スタートでは3番手グリッドの車両が遅れ、好スタートを切った平川が3位、関口も7番手グリッドから5位へとポジションアップ。11番手スタートの坪井が7位へと大きく順位を上げた。9周目、トップを走行していた車両がタイヤバーストによりリタイア。これで平川は2位へ。
翌10周目を終えたところで、義務づけられているタイヤ交換が可能となり、後続勢と4位につけていた関口がピットイン。13周目に首位の車両がピットインしたため、これを追っていた平川は翌周ピットへ向かい、実質的に2位のポジションを守ったままコースへと復帰。これでピットインしていないのは宮田とアレジの2台のみとなった。
15周目、13番手スタートから3つポジションを上げ、10位を走行していた国本が右リアタイヤのトラブルに見舞われ高速130Rコーナーでスピンを喫し、タイヤバリアに激しくクラッシュ。国本は無事であったが、ポイント圏内から惜しくもレースを終えることとなった。
このアクシデントによりセーフティカーが導入。このタイミングでピットへと向かった宮田とアレジは、それぞれ6位、11位と好位置でコースに復帰した。
19周を終えてセーフティカーが退去。残り11周でのスプリントレースとなった。各車のマージンが狭まったことで、各所でオーバーテイクシステムを使った見応えあるバトルが展開。2位の平川も自己ベストタイムを更新しながら首位を追う。
このスプリントバトルの中で好走を見せ、観客を沸かせたのは今大会がスーパーフォーミュラ初レースのアレジ。この大会ではスーパーフォーミュラ・ライツと両レースに出場という多忙なスケジュールをこなすアレジは、スタートで遅れたものの、11位での再スタート後は素晴らしい追い上げを見せ、25周目には山下とサイド・バイ・サイドのままS字を抜けていく競り合いを制し10位へ。その後、27周目にはオーバーテイクシステムを上手く使って9位へとポジションを上げた。
最後まで多くのバトルが繰り広げられた好レースで、平川は最後トップとの差を1秒ほどにまで詰めたが逆転はならず、2位でフィニッシュ。前戦富士に続くトヨタ勢最上位フィニッシュで、ドライバーズランキングでも2位に浮上した。
関口が4位。宮田が6位。坪井は後続からの猛追で、ほぼ並んだままチェッカーを受けたが、1000分の3秒差で守り切り7位。アレジは初のスーパーフォーミュラ戦で9位に入り、ポイント獲得を果たした。
2位表彰台を獲得した平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)
11番グリッドから順位を上げ、7位でフィニッシュした坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING 38号車)
スーパーフォーミュラ 2021年 第2戦 鈴鹿 決勝結果